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2006年9月21日 (木)

ブルーグラスの傑作!

Bluegrass101_1Bluegrass901 Bluegrass601 Bluegrass401私がブルーグラス・ミュージックに惹かれていったのは1960年代の中頃、フォークソングが流行り、キングストン・トリオのスカッとしたサウンドに惹かれていくうちに彼らの音楽背景にブルーグラスという音楽領域があることを知ったからです。荒々しいなかに哀愁がほのかに漂うキングストン・トリオの音色にはブルーグラスのエキスが注がれているのか!・・・などと勝手に思い込んでブルーグラス音楽のLPを探し求めましたが、なかなか自分にピタッとくるものには、出遭う事がありませんでした。その後、おおきく時代の価値観が変化しだした1970年代に入り、当初アメリカ西海岸の若者を席巻したヒッピー・ムーブメント、ホール・アース・カルチャーなどのカウンターカルチャーの影響がアメリカ全土にも浸透した1974年、本場ブルーグラス・フェスティバルの世界を写真の力で記録した一冊が、たった一人の日本人の若者によって出版されました。

[Blue Ridge Mts Friendly Shadows]というタイトルの写真集がそれです。出版社の写真部に在籍しながら趣味のブルーグラス・ミュージックをことある度に記録されていた小森谷信治さんが20歳代中頃に自ら自費でアメリカに出かけ、ブルーグラス・フェスティバルの様子を撮影・出版された大傑作の写真集です。1974年当時、この写真集にすぐ飛びつきページをめくる度に、この時代の若者の風俗・文化がアメリカの典型的保守・良識層が支持するカントリー・ブルーグラスの世界にも浸透しだしたことが一目瞭然であることと、日本ではレコードを通してしか判らなかったブルーグラス・フェスティバルの臨場感がぞくぞくするほど、伝わってきました。この写真をみても、大御所と若手新興勢力とのジャム・セッション、ビル・モンローが仕切る一般演奏家とプロのジャム・セッションなど、単にブルーグラス・ミュージックに留まらないある時代の流れを読み取れる、すばらしい一冊であります。

残念でありますが今は絶版となってしまい、私の所有している一冊も繰り返し見たのでもうぼろぼろとなり本としての体裁を保っていませんから、いずれ神保町あたりでの偶然・奇跡の再会を願っています。

さて、この時代(1970年代)には、ブルーグラス・ミュージックの世界にも新しい表現の可能性を求める多くの優れた演奏家が登場し、素晴らしいアルバムを遺しています。、その多くはブルーグラス・ミュージックを閉鎖された保守的な世界から開かれた革新的世界へと引きずり込んだ名盤として、今日でも私世代はもちろんのこと、若い世代にも聴き継がれていますし、その変革の志の伝承は今も脈々と次世代へと伝わっています。日本国内のブルーグラス・フェスティバルなどで、若い世代のバンドがその音色・リズム・構成などに趣向を凝らしているのを観ると、嬉しくなってしまうのであります。

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