音楽を愉しんだ時代!
私にとって、音楽が生活に欠かせないものとなってから、45年以上の年月が経ちましたが、この2年ほどで更に音楽の供給と需要のバランスがすっかり変わってしまい、個人が自分の意志でいつでも・どこでも・なんでも一曲から購入できる時代となってしまいました。要は、業界が握っていた時間・場所のイニシャティブを、殆ど個人に明け渡してしまった、ということなのでしょう。音楽は個人の心に飛び込んでくれる最もエモーショナルな表現のアートですから、今の状況がある意味では理想の姿なのでしょう。それでも、ふと、こんな懐かしい写真を見つけると、音楽が個人の手に届くにはそれなりの時間と手間のあった頃を、羨ましく感じることがあります。この写真はおそらくレコード盤が大衆化される黎明期のものが殆どと思われますが、レコードを入れる袋・レコード針の缶にいたるまで音楽のもつ感情が伝わってきそうな、それぞれきれいなグラフィックで、その時代の気分がつよく表れています。
これを見ていると、あのウディー・アレンの名作「ラジオ・ディ」で、家族が居間のど真中に鎮座するラジオに釘付けになって聴いている場面に近い寛ぎの様子が浮かんできます。とっくの昔にラジオ・蓄音機は家族団欒の主役の座からは降りてしまい、今やパソコンを通して瞬時にして、好きな曲を好きな時に買い求めることが出来ますが、一曲一曲をそれは耳をそばだてて聴いていた過ぎ去った時代の豊かな時間の流れにも、捨てがたい魅力があります。
さて、最近はカントリーミュージックの世界にも新しいリズム・メロディー進行・コラボレーションが顕著となっていますが、その流れについて行けない皆さんは、WSMのアーカイブ(www.wsmonline.com/onair/archives.shtml)でカントリーミュージックの懐メロを聴くのが密かな流行となっています。確かに1950年代・1960年代の曲を聴いていると、自分の将来も見えず混沌としていた頃がふと懐かしく頭のなかを過ぎると同時に、安心できる曲趣とメロディーにほっとするのです。
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