広重・嵐山の桜吹雪
広重の水のあしらいには、このようなぼかし技法を駆使して、水量や時間差・速度感をライブのように表現するスタイルが登場します。日本国中の滝の表現とともに、この京都・嵐山の川下りのスピード感を表すのにも、そのぼかし技法がみごとです。
版画という極めて、プリミティブな表現の中にも、独自の先進性と斬新性を織り込んだ、広重の作品は何百年経っても、恰も其処に居るがごとく、観る人を引き寄せてくれます。
丁度、今の時期にぴったりな、桜花版画でありますが、桜の花という季節限定・女子好みのモチーフと、男子好みの川下りのスピード感が巧い按配で響きあっていますから、一年中、部屋に飾っておいても違和感のない、私のお気に入りであります。
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