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2007年7月11日 (水)

堀内誠一さんの楽しさ

Img_6169_1 Img_6179Img_6172 1970年代のファッション・トレンド雑誌『anan』のアートディレクター・堀内誠一さん(1932~1987)が取材の傍ら書きとめたスケッチや、エッセー、その他旅に関わる珠玉の話が散りばめられた『パリからの旅・パリとフランスの町々』が復刻版として、マガジンハウス社から、今年の2月に再登場しました。この本、1990年に発行されたのですが、所謂業界筋では、アートディレクションの鑑とも云うべき内容・構成の塊でありましたから、あっという間に、完売してしまい、その後、再販の声が途切れなく続いていた一冊です。

パリを起点として、コートダジュール・プロバンスへと興味の対象地域がワープし、食楽・史楽・芸楽・宴楽・・・と人生の楽しみ方までこの一冊で示唆してくれていますから、ちょっとお疲れの大人の人が、ちょっと力を抜きたいひと時の傍らにいてくれると、案外、効能が現れるかも知れません・・・。

堀内さんはマガジンハウス社で、アンアン・ポパイ・ブルータスなどの後世に残る雑誌のアートディレクターとして、その職人気質を全回転され、私世代にとっては、大橋歩さんの平凡パンチの表紙とともに、ポップカルチャーの代表選手でした。堀内さんは人生の終盤を絵本作家としても活躍され、福音館書店『こどものとも』シリーズを通して会うことが出来ます。

なにしろ、絵はもちろん、文章・取材の掘り下げ、レイアウトなど今では分業となって何人もの人が関わる分野を全てお独りでまとめ上げていたようで、そこには当然それを良しとしない輩も多かったのでしょうが、今となっては、その個人的感性が時代を超えてひとつのメディアとメッセージとなり、我々に素晴らしい仕事の在りかたを遺してくれました。

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今や、Google Earthで、世界中処までもひとっとびのご時勢ですが、このヴェネチアのイラスト・マップを眺めているだけでも、堀内誠一さんのイマジネーションがどれほど私たちに旅のもつワクワクドキドキを伝えてくれたかが,一目瞭然であります。Google Earthの素晴らしさは言うまでもありませんが、人間の想像力を喚起させてくれる視点からは、堀内さんに軍配が上がると思うのですが・・・。

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