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2007年10月 6日 (土)

広重・月の岬(品川八つ山)

084 01広重のお得意な艶景の代表ともいえるモチーフですが、お姐さんを影だけで見立て、障子というニッポン空間文化を象徴的に表現した傑作です。遥かに見える満月と品川沖のパノラマが、今でも羨ましいほどの幕末期の優雅な生活環境を見せてくれます。

月の岬と呼ばれた、この場所は一般的には現在の日本榎通りの尾根と三田四丁目付近が接する辺りが通説のようですが、『絵本江戸土産・四篇』によれば、現在、八つ山橋信号あたり、あるいは関東閣のある場所が正しいようで、当時から見通しのよい名所として有名でしたから月見のスポットとしても江戸でも筆頭であったようです。

品川宿の有名な妓楼の二階から描かれたこの絵には、雁の群れが飛んでいることから中秋の満月の頃でしょうか。品川宿はこの版画の刷られた1857年(安政4年)頃には既に、幕府側と一線をを画する薩摩・長州・土佐の改革派・下級武士が夜な夜な出没していて、今ではその面影は無いものの、当時はお伊勢詣りの衆と共に、勢いのあった宿場でした。

秋の風が気持ちよく通り抜ける、あっけらかんとしたオープンスペースながら、畳の上に散らばった宴の後片付けをしているお姐さんと影の映る御姐さんの仕度状況が、この画面の時間推移を観る者に余韻として表わしてくれています。3

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