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2007年12月 1日 (土)

OPAの両手鍋

Img_4448 Img_4450Img_4449 1975年頃に伊勢丹で開かれたイタリア展で買ったOPAの鍋です。この鍋も、不用品だけを入れた古いダンボールの中から出てきたものです。いかにも無駄のないデザインですからドイツの商品と思いがちですが、イタリアにもこのような明快なコンセプトのデザインが存在していました。当時、日本の家庭用品メーカーはその売上の大半をギフト需要に頼っていましたから、どうしても、主婦に受け易い柄物を取り入れた装飾が施されたものばかりで、キッチン環境との統一性を考慮した、無駄の無いステンレスのデザインなどは生まれる土壌もなかった時代です。

今、久しぶりに見ていますが、ステンレス板と丸棒を最小の工程でこうも見事な形にまとめたセンスに拍手です。キッチンレンジの上での料理に適応することを最大考慮したこのフォルムは写りこみも綺麗ですし、あのステンレスの板がこんなにもエレガントに変身するとは、当時誰も思っていなかったでしょうが、業界筋の方々にもたいそうな人気を博しました。

その後、あるインテリアの雑誌でこの鍋をデザインした方の「この鍋のデザインの発想の元は日本のなつめ(棗)から来ています。」と云う記事 を読んで、思わず納得しました。このシリーズには他にケトルやティー用品などもありましたが、私は一目ぼれでこの両手鍋に飛びつきました。大の男が鍋などに・・・!などと思われる方も多かろうと存じますが、実物のセクシーなフォルムを、まのあたりにしますと女性らしい線が鍋以上の存在感を放っています。

デザインを指導する先生方にとってOPAの鍋は、市場性を優先せざるを得ないプロダクト・デザイン の世界において、受け狙いの要素を一切拒否し、、まさにターゲット・用途環境の焦点を絞った「純粋デザイン」のお手本でありました。

このような形態のものでしたから、それほど売れたわけではありませんが、その影響はじわじわと浸透して、あの無印良品のデザイン方向性を決める会議において、ひとつの象徴のサンプルとして役立ったそうです。

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