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2007年12月 5日 (水)

やっと届いた大竹伸朗・全景

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大竹伸朗 全景 1955-2006

 現代美術の最先端で、常に躍進を続けてきた画家、大竹伸朗のはじめての大回顧展が開催されます。国内最大級の面積を誇る東京都現代美術館の企画展示室全フロアを使用する、日本の現存作家の個展としてはじめての規模で大竹伸朗の「全景」を展開します。

 80年代初頭に新しいペインティングの旗手として鮮烈なデビューを飾って以来、目に映る世界をすべて題材として、質・量ともに比類ない絵画を生み出し続けるとともに、立体、写真、本、印刷物、音など、衝動のおもむくままにあらゆる手段を取り込んで、多彩な活動を展開してきた大竹伸朗。彼の影響力は、現代美術の世界にとどまらず、写真、デザイン、文学、音楽など、世代を超えてあらゆるジャンルに及ぶといっても過言ではありません。
総制作点数3万点を超えるという、圧倒的な制作量と活動の幅広さを受け入れられる場が存在しなかったために、その創造の全貌はいまだ謎に包まれています。本展覧会は、30年にわたってほとんど人目にさらされることなく制作され続けてきた「スクラップ・ブック」をはじめて全点一挙公開するほか、少年時代のスケッチから、本展のために制作されたパワフルな新作まで、選りすぐった2000点あまりの作品群で大竹伸朗の全仕事を紹介する、またとない機会です。

昨年10月14日から12月24日まで開かれた大竹伸朗の展覧会 http://shinroohtake.jp/ に行って、その圧倒的な作品量と年代ごとに自由に変貌する表現と素材の展開に、正直、未だ若いのによくもこれだけのエネルギーが在るものだと感心していました。芸大時代の卓越したデッサン力はもちろんですが、少年時代の漫画の模倣にも既に模倣以上のセンスが垣間見られ、秀逸でありました。最近は宇和島に居を構えて、世俗の戯言を断ち切って、独自の境地に達しているものの、妙な厭世観はなく、都市のもつ享楽性をもスパイスとしてタブローに差し込んでいます。

と、ここまでは、通り一遍の話ですが、この展覧会のカタログが実に延期に次ぐ延期となってようやく、一年かかって12月4日に到着いたしました。その経緯は分かりかねますが、多分、大竹伸朗さんの完璧主義な性格に相反する出来事や成り行きがあって、ちょっとしたミスさえ、大竹さんは見逃さなかったのではないでしょうか。総重量5キロ以上・ページ数1152という、このお気軽時代では快挙といってよいほどの素晴らしいヘビー級の出来栄えです。印刷は光村印刷ですし、これに携わった方々のご苦労たるや、想像に絶することどれほどばかりであったでしょう。さらに、コストを途中から度外視しなければ、この凄さと見事さを兼ね備えた作品集は実現しなかったに違いありません。

見る方も半端ではなく体力、とくに腕力を要しますから、いかにも柔でない大竹伸朗さんに相応しい作品集となっています。今後の活躍も愉しみですから、さらにこれと同等以上の作品集を期待しています。

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