お宝!三冊
1960年代後半から今日まで、気に入った海外の本を買い続けてますが、その中には正直、失敗したなあ!という本の数も少なくはないのです。
今はサンプル本があってその中身をプレビューできますが、30年ほど前まではそういうホスピタリティーに富んだ書店も極く僅かでしたから、勢いあまって買ってしまったことが性格上、多かったのです。今では、海外書籍といえども、中古であれば二束三文のご時勢ですから、失敗した本の後処理にも悩む事が多々あって、未だに室内の床から積み上げた状態が続いています。
さて、この画像の三冊はそのような中で私にとって珠玉の三冊といっては大袈裟ですが、今でも見開くことの多いもので、内容・アートディレクションすべてが郡を抜いています。夫々が今のようなD.T.Pで構成する時代でなく、人間の感性と理性をフル稼働して作り上げていった時代の産物ですから、その意図までもがこちらに飛び込んできて、気分の良いひと時を愉しませてくれます。
ABITAREは1970年代初期ののデザイン業界のバイブルともいうべき雑誌で、とくにこの号はテキスタイル・陶磁器・ガラス・グラフィック・各種プロダクトデザインの新しい潮流をまるごと一冊に封じ込めた特集号でこの一冊で世界のデザイントレンドを掴むことが出来ました。
QUALITESは1987年に出版された、フランスの優れて美しい傑作品を紹介したもので、ベレー帽からモンキースパナまでモノ寄りののクローズアップの写真にうっとりとしたものです。
MILTON GLASER GRAPHIC DESIGNは1960年代から世界のグラフィックデザインとアートディレクションの
トレンドセッターであったミルトングレーサーさんの作品集で、表紙のボブ・ディランのインパクトに負けて中身も見ずに買ったものですが、やはり中身も間違いなく、私にとって今日までこの類の本の中での頂点であります。
それにしても、この三冊に掲載されているイラストレーション・マスターピース・デザイングッズ全てが、今日もその光彩を失っていないのが驚きでありますし、逆に昨今の情報消費に追いまくられている雑誌編集と、賞味期限の短い商品ばかり掲載されるその内容には首をかしげることが多くなってきました。
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