« 1969年・八方尾根 | トップページ | 古書店の拾い物! »

2008年2月16日 (土)

釜師・山口孝雄 茶釜展

Rimg6734 Rimg6736 Rimg6737 北鎌倉にお住いの、山口孝雄氏の茶釜の展覧会が14日から20日まで東急百貨店・渋谷本店 8階画廊で開催されています。

茶道の流派や固定的な設えの約束ごとにも自由に解き離れた感性と理性で遊びまくるその存在は、モダニズムの確信犯的資質が見え隠れしていて、これからのお茶の世界さえ暗示させているようであります。山口さんは3代に亘り釜師の血統を引き継ぐ、一見強面の方でありますが、話し出すとその優しい性格が一気に噴出して、周りを明るくさせてくれます。Rimg6751_2

    釜師山口の初代・祖父の浄雄は、主に明治から昭和の中頃まで制作活動をしておりましたが、この時期は近代に於ける茶の湯の復興期でもあったためか作品は名物釜や好みの物の釜の制作が多かったようです。

    父・寿雄は戦前戦後の新しい工芸運動の中で、自分なりの釜を求めて制作しておりました。私の釜作りも父と同様に、私なりに今日性を求めた釜作りを課題としております。

    釜は茶席において終始お点前の中心的位置に置かれています。それだけに冗舌な存在感を主張するのではなく、静かに、落ち着いた、しかし存在感を持つものでありたいと思っております。この存在感は形と技術の確かさから生まれるものと考えており、これらへの挑戦が常に私にとっての作品作りの課題です。

    学生時代は一品制作、会社勤めの時代には少量から多量の製品作り、そして今、一品制作に戻りました。数多く作る事の面白さと一品制作の面白さは夫々違ったものを持っていますが、どちらも作った〈もの〉を、より多くの人達に認めて貰う楽しさは変わりません。

    釜本体、蓋、摘みなど殆どの作業を自宅の庭先の「鋳庵工房」で制作しております。茶釜は金属を溶かして型に鋳込む、鋳物によって作られますが、鋳物の仕事は3Kの一つであり、力を要する仕事です。その上作業工程は細かな作業を含めますと非常に多く、手間がかかります。この手間が楽しめる限り制作して行きたいと考えております。


やまぐちたかお
山口孝雄

    1943年  
    釜師山口寿雄の長男として東京都北区十条に生まれる。
    1967年  
    東京芸術大学大学院・工業科卒。父寿雄に師事。
    1968年
    (株)伊勢丹研究所に入社。食器類の商品開発に従事。
    (財)産業デザイン振興会の海外派遣研究生として、ヨーロッパのデザインを研修。及び国内の地場産業のデザイン指導に従事。

    1978年 
    旧岩城硝子(株)に入社。
    パイレックスR等の耐熱硝子食器商品開発等に従事。
    *これら会社勤務の傍ら茶釜制作を行う。

    1997年   
    旧岩城硝子(株)を退社し茶釜制作に専念。

|

« 1969年・八方尾根 | トップページ | 古書店の拾い物! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/29019/10509039

この記事へのトラックバック一覧です: 釜師・山口孝雄 茶釜展:

« 1969年・八方尾根 | トップページ | 古書店の拾い物! »