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2008年3月20日 (木)

鈴木信太郎・窓の静物 1959年

42 鈴木信太郎は永年住み慣れた荻窪から井の頭線の久我山に1951年、居を移し、広い庭の開放された環境がよほど気に入ったのか、清清しい画風の絵を描いています。

この静物もお気に入りのものばかりを南に面した窓辺に並べて淡々と描かれていますが、左に見える縦長の壺のようなものは梅原龍三郎からいただいたもので、この壺の豊かなフォルムを気に入ったとみえて、数点描いています。赤絵萬暦と呼ばれるこの壺は梅原のお気に入りでしたから、どのようにして鈴木のところに渡ったのかという謂れは定かでないものの、この形と鈴木の大好きなヨーロッパの民族衣装を着た人形とが酷似していますから、鈴木は直線的なものよりもふっくらとしたボリュームのある曲線を好んでいたのでしょう。

その他の置物もきっと鈴木の目にかなったものばかりなのでしょうが、どれもが一癖もありそうな形をしています。きっとヨーロッパの民芸に近いジャンルのものでしょうが、鈴木の画趣に使われると、独特のスタイルに変幻しています。窓辺にあたる陽の光の色調が、穏やかな春の昼間のようであります。

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