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2008年3月31日 (月)

ロッキーに春来たりなば・・・

Bhft やっと春めいてきたかと思えば、又、イエローオーカーの砂が空を覆い、一度でさえありがた迷惑なのに、今年の春は黄砂が何度も来て惨々な目に会いました。

こういうときは気分一新、気持ちよいほど晴れ晴れとしたカウボーイソングを聴くのに限ります。

YouTubeを悪戯しているとBill Chilesという、いかにも長閑そうな姿のシンガーが登場しました。歌いっぷりは朗々としていて、小技を遣うことなくストレートに春のロッキーを歌い上げますhttp://www.youtube.com/watch?v=glKOYiCFKdM&feature=related 。このWhen It's Sprin' Time in The Rockies という曲は、春を待ち望んだ季節賛歌とでもいいましょうか、そののびやかなメロディーは誰しもが口ずさんでしまいそうです。カウボーイソングは、くせのあるカントリー系の音楽と同じ仲間ですが、生活シーンと孤独感のある男の世界が季節・自然環境を背景に謳われるものが多く、メロディーも美しく繊細で、この季節と秋の黄昏の頃にはぴったりの柔らかな音楽です。

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2008年3月30日 (日)

桜三昧・皇居周辺

Rimg8466 Rimg8463 Rimg8480 Rimg8488 あっという間に桜が満開となってしまい、今朝(3月29日)は久しぶりの早起きをして、自転車で出かけようとしたのですが、家人の用事が降って沸いてしまい、二時間以上遅れて、9時に駒沢をスタートしました。土曜日も重なり、都心に向かう幹線道路は大渋滞で、排気ガスの洗礼を受けるのも堪らないですから、そこは、自転車の真骨頂、裏道・抜け道を駆使して、三宅坂方向に向かいましたが、今日は一日中、北風が強い予報でしたので、体が冷え切らないよう、防風・防寒対策をして、出かけました。最近のインナーをはじめとするウエアの進化は毎年著しく、昨年購入したミズノのインナーとエチオンドの防風・防寒用の軽いジャケットの組み合わせは、たいへん軽量で暖かく快適な上、カッティングも三次元裁断となり、体に無理な負担もなく、寒い日でも全くストレスなしで走行できます。

相当な速度で抜け、30分ほどで桜田門に到着。一の門である「高麗門」をくぐり、毎年の定点位置でもある二の門「枡形内渡り櫓門」脇にある孤独な一本桜も、最高の状態でしたが、花雲に光が遮られ、シャッターチャンスがなかなか、やって来ません。この桜を毎年愉しみにしている、「お好きな方々」もいらっしゃるようで、記念撮影の順番のルールも暗黙の了解ですから、他所の桜名所のような気が付けば桜より人盛り・・・などという不愉快なこともなく、粛々と順番に撮影が済んでいきます。この桜の幹の曲線と門の石積み曲線が絶妙な調和を編み出していて、そのバランスは偶然とはいえ、奇跡的な美しさなのです。又、丸の内方面の明治安田生命館を背景に映える桜田濠の水辺の桜・・・というアングルも、モダンな画像となって、それなりの雰囲気があります。この桜、まだ五分咲きといった状態ですから、来週平日でも、まだ充分愉しむことが出来そうです。

あとはお決まりのコース・・・、内堀通りから北の丸経由、田安門から千鳥が淵へと抜けましたが、毎年のこととはいえ、人の流れは、凄まじいものです。ここで撮影をしていると、何と、父がお世話になった建築家・故・谷口吉郎博士のお嬢さんに見つかってしまい、ギンギンの自転車姿を撮影されてしまいました。

さて、二十年近くこの時季の皇居周辺を撮影していますが、お花見を愉しむ皆さんの数は間違いなく年々増え続けていますし、特に外国人の数が飛躍的に増えています。一年のなかで最も華やかながら、ほんの僅かな日に許された、珠玉のひとときを味わうには、早朝、それも6時頃の光を通した桜の美しさを実感するしかありませんから、遅れてスタートした今日は、ほんとうに残念な思いでありました。

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2008年3月29日 (土)

日比谷公園の穴場

Rimg7967 都心のど真ん中でなお、鬱蒼とした樹木が茂る日比谷公園は、散策にもランチにもご機嫌なひとときを味わえるので、これから5月にかけては最高の時季を向かえます。

噴水公園界隈も近場のサラリーマンなどが手弁当持参で賑わいますし、松本楼のオープンテラスも、人見知りしないで餌を強請るスズメ・鳩が気にならなければ結構でしょうが、この日比谷パレス http://www.hibiyapalace.co.jp/ がやや離れた場所にあることも幸いして、春爛漫を満喫するにはベストでしょう。此処は結婚式場としての運営が主ですから、アポなしで行ってみても結婚式でランチも出来ない・・・などということもあるので、必ず事前の確認を怠らないことが肝心であります。

バニライエローの外観とオレンジのパラソルが、意外にも周りの樹木ともマッチしていて、エレガンスなのであります。さらに、白いテーブルクロスが優雅な昼下がりを暗示しているようですが、自転車の気合の入った恰好で入るには、相当な度胸と図々しさが必要とされます。

ちょっとした操作ミスでブログの掲載日が遅れてしまいました。              この画像は23日のものです。今日、29日は少し北風がありますが、日比谷公園も晴天の桜の満開が楽しめます

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2008年3月28日 (金)

『鯛めし』三昧

Rimg7763 瀬戸内産の約二キログラムの鯛をさばき、焼いた中骨でとった出汁が肝となる。これに昆布出汁を合わせ、土鍋で炊く。米は石川県・加賀のコシヒカリ。身は薄口醤油と酒にくぐらせ、香ばしく焼く。こんがり焼けた皮の香りが米に移り、旨さ倍増。三つ葉を散らし、酢橘を控えめに絞れば味の変化が楽しめる。 『銀座 あさみ』の鯛めしコースより。

お茶漬けが器に口を付けてかき込む、はなはだラフな食事とすれば、鯛めしのような献立は、お茶漬けの兄弟のようなものであるにも関わらず、そうとう品の良い作法で頂きませんと、その風雅な香りやら旨みを味わえません。家庭で簡単に出来るといわれても、それぞれの材料の選択をひとつでもランク落ちさせてしまえば、全く別物となってしまいますから、ここは多少値が張っても、きちんとしたお店の正しい材料・研ぎ澄まされた段取りからしか生まれ得ない味わいに、溺れるしかないのであります。

この時節ですと、どこの料理屋も桜をあしらった料理で満開となるようですが、私は渋い鯛めしに撒かれた三つ葉のライムグリーンに早春を感じ、眩い新緑のうきうきする気分が近づいているのを前倒しにして、楽しむことにしています

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2008年3月27日 (木)

大橋さんの店・イオグラフィックギャラリー

Rimg7950 Rimg7953 駒沢公園傍に昨年登場した、大橋歩さんの運営するお店『イオ・グラフィックギャラリー』 http://www.iog.co.jp/ は、普段を楽しむ生活コンセプトを基に、気軽な商品構成が好感もてます。

 駒沢公園をはさんで東西に夫々、自由通り・駒沢公園通りが南北に走っていますが、駒沢公園通りは今、新旧の入替が激しく、時代の勢いもあって、カジュアルレストラン・新和風喫茶・ビッグバーガー・そしてペット関連の店が続々と誕生してますが、その反面、自由通りは比較的大型店舗が占め、小さな洒落た店など無いにも等しい中、この店が、さらりと誕生しました。

 普段使いの雑貨を販売しながらも、ギャラリーでは企画展も開催されてますし、奥には大橋さんの教育をしっかりと叩き込まれた事務所のスタッフが常駐していて、今時の、そこらのセレクトショップに居そうなタイプとは別格の、きちんとした言葉と応対が気持ち良いのであります。人気の雑誌『Arne』のバックナンバーも全て揃ってますし、大橋さんの平凡パンチ時代の作品集などもきちんと置かれています。

 お客に媚びないさっぱり感がこの街にも合っていて、これまでどちらかといえば、学生相手の適当な店が多かった中、きりっとしまったカジュアルな店の登場は、適度な緊張感を周辺にもたらせてくれています。

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2008年3月26日 (水)

昭和の薫り・目黒区中根

Rimg7538 Rimg7542 駒沢から自由通りを南下して目黒通りを渡ればその先は自由が丘ですが、ちょっと左に曲がると目黒区中根という渋く正統な住宅街があります。緑が丘・大岡山・自由が丘とともに日当たり絶佳の地域で、残り少なくなったとはいえ、このような木造総二階建の物件が健在です。

20年程前まではこの様式の住宅は随所に観られたものの、気が付けば疾風の如くなくなってしまいました。

防災・防火上の問題があることは歪めませんが、この日本の風土・風景に合った様式美が消え、その代わりに何でもありの商品建築が建ち始めると、その地域の記憶が消滅してしまいますから、偶然に出会ったとはいえ失礼を承知で記録するしかありません。

この御宅の玄関脇の桜も、みごとな咲きっぷりを約束されているような蕾が膨らみ始め、この日の日当たり絶佳とともに穏やかなひとときを味わいました。

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2008年3月25日 (火)

HOOTENANNY

Rimg7719

これは凄い映像の登場だ。1963年、アメリカのフォークブームのど真ん中にABCテレビで全米放映 された有名な『フーテナニー』が40年ぶりに、ついに日の目を見た。チャド・ミッチェル・トリオか らはじまり、ジュディ・コリンズ、ルーフトップ・シンガーズ、ニュー・クリスティー・ミンストレル ズ、イアンとシルビア、ボブ・ギブソン、ライムライターズ、ブラザーズ・フォーほかのフォークグ ループに、フラット&スクラッグス、デビュー当時のドック・ワトソンやディラーズ、ディアン&グ リーンブライアー・ボーイズ、エディ・アーノルド、ジョニー・キャッシュやマザー・メイベルとカー ター・ファミリー(シスターズ)も含んで、当時のモダン・フォークが次々と紹介される、あの曲この 曲、フォーク・ファン夢の映像集である。手前味噌だが、歴史的なカーネギーホール・ライブの翌年、 フラット&スクラッグスのアンサンブルはたった2曲だが圧倒的に完璧/普遍なのだ。アメリカの若者 がまだ従順だった1960年代前半、この時代の翌年にビートルズ時代からロック、そしてベトナムとア メリカは劇的に変わっていく。…でも、日本は、NHK見ていると、あの手拍子といい、今もおんなじ…、 ほんまに、成長しているんだろうか? 米国の場合、これらの一時的なフォークグループとブームは 過去のもの、懐メロとして大いに楽しめる。(BOMサービス)

先週、自転車とフォークソングに染まりだした高校時代の記憶を辿ることができそうなDVDが送られてきました。

『The Best of HOOTENANNY』というタイトルの三枚組にはたっぷりと思い出のフォークソングの名曲が勢ぞろいしていますし、映像から浮かび上がる1960年代のアメリカの学生の表情には今と全く異なるやや暗い影も見え隠れしていて、ひとつの風俗資料としても第一級です。

きちんとした歌唱力のあるアマチュアからレスターフラット・アールスクラッグス、エディ・アーノルド、ジョニー・キャッシュまでも登場して、フォークソングだけではないアメリカンミュージックの当時の全貌も俯瞰できます。

Best of Hootenanny (3pc) DVD Best of Hootenanny (3pc)

発売日:2007/01/16
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2008年3月24日 (月)

自由が丘・茶乃子

Rimg7548 Rimg7551 Rimg7552 自転車で街を観るようになってから、一番の緊急課題は、あの賑やかな恰好で自由に気兼ねなく入りやすい店の少ないことです。週末のお気軽コースの帰りに抜ける自由が丘も然りですが、唯一、一軒この『茶乃子』というお店は、自転車乗りを喜んで迎えてくれるお店です。ご存知のように、新旧の入れ替えが極端に激しい自由が丘飲食・喫茶業界にあって、時代に翻弄されることなく、永年に亘りこの可愛いコテージ風の店舗は、毎日賑わっています。私ども自転車乗りは例外として、犬連れのご夫婦・初老の女性などが店舗に占める比率も多く、この雰囲気は自由が丘の地元の皆さんで溢れた、正しいカフェの姿であるかも知れません。

この日は早朝のトレーニングを終え、開店と同時に入りましたから、ご覧のようにな開放感たっぷりの写真となりましたが、ものの10分ほどで店内の椅子はほぼ埋められました。目の前の暗渠となっている遊歩道は、街づくりの好例として様々な雑誌に採り上げられていますが、この環境とこの店は抜群のハーモニーを見せてくれますから、願わくば全ての店がガラスで閉ざさずに開放されれば、もっと素晴らしい舞台となるでしょう・・・。周辺はブランドショップ・セレクトショップなどで占拠され、生活の薫りが少ないため、この店の珈琲の香りだけが、遊歩道をはじめ周囲に朝の優雅なひとときの魅力を放ってくれています。

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2008年3月23日 (日)

赤坂・SAKAS

Rimg7874_2 Rimg7875_2 Rimg7854_2 Rimg7933_2 Rimg7943 絶好の快晴が約束された土曜日は、早朝に駒沢を出発して、桜前線の模様を調べるため、青山墓地・紀尾井町・千鳥が淵・靖国神社・本郷・上野を回ってみましたが、どこも蕾は膨らんでいるものの開花はまだの様子、来週末が見ごろとなりそうです。風も無く絶好のランニング日和でもあり、皇居はランナーラッシュの様相を呈していていましたが、春の到来を告げる穏やかな天候に、皆さん、ご機嫌な顔をしていました。久しぶりに神保町・揚子江飯店で早めのランチを済ませ、帰路に着こうと思いましたが、又、ミーハーの虫が眼を覚まし、『赤坂・SAKAS』に向いました。

半蔵門から麹町・紀尾井町・赤坂見附を抜け、青山通りからコロンビア坂を経由して到着しましたが、コンパクト・シティとよばれる多機能融合のひとつですが、所謂、文化・商業開発的コンセプトよりTBSの息のかかったイベント主導型の集客装置の意味合いが強そうです。汗が出るほどの暑さでしたが、日陰のような逃げ場もなく、三井不動産の開発だけにランドスケープのつまらなさは東京ミッドタウンと双璧であります。ただひたすらセレブもどきを待ちわびる人様の間を掻い潜り、乃木坂通りに出ると、いまだ地上げに屈しない意地の和風住宅が健在でありました。

Rimg7850Rimg7848インスタレーションとさえ思えてしまう東側のトタン板は、まるでSAKASをあざ笑うがごとくの風格さえ覚えます。ほとんどの外国人がこの家の前で記念写真を撮っているのも、何か象徴的でさえあります。さらに、乃木坂通りからみれば、この意地の住宅が、わざわざ汚く仕上げた洒落た今風の和風レストランとさえ、思えてしまいます・・・。

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2008年3月22日 (土)

新宿『風紋』・林聖子さん

Rimg7595 Rimg7627 Rimg7612 新宿は旧・花園にある『風紋』は今年で開店47周年という世界遺産なみの長寿店です。出版界では文壇バーと呼ばれ、とくに1960年代から70年代においてはこの店に来れば、作家・編集者・画家・俳優・詩人・プロデューサー・建築家・デザイナーが一炊の余地無く、団子状態で飲み且つ語り・・・という世界があって、一家言をもつお客たちの強烈な文化的格闘技と異種交換会が毎日のように続いていました。

さて、この店を切り盛りする林聖子さんは今年80歳ということで、有志が集まって3月15日にお祝いの会が開かれました。往年の名編集長をはじめ、各出版社のお歴々から作家も多数出席され、まるで1960年代のような熱く若い純粋な熱気に包まれました。皆さんの多くは70歳代から80歳代にあるにも関わらず、相変わらずの酒豪ぶり、健啖ぶり・・・と、どれをとっても後の世代は負けてしまうのであります。

時代は、軽く優しく柔らかい方向を願っているようですが、この日の『風紋』は、重く手厳しい人間力に溢れた個人が、いまだに健在であることを呼び起こしてくれたひとときでありました。

それにしても風紋の内装・調度・照明といい、壁に並んだ昭和日本の絵画といい、重厚さとモダニズムの匙加減が素晴らしい、今では世界でも稀有なお店であります。

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2008年3月21日 (金)

広重・深川八幡山開き

HuNhytiCtiu 082_2 現在の富岡八幡宮一体は、その別当である永大寺が隅田川東岸では最大の寺院を形成していて、その景観も別格であったそうであります。

永大寺の庭園を描いたこの版画と同じ景観は少なくとも明治頃までは望むことが出来たようですが、今では、川風に涼むこともなく、ここも水の都の美しさは消し飛んでしまいました。

山開きと題された意味は旧暦3月21日、真言宗の開祖・空海の命日から数日開放される期間のことを、山開きと呼んでいたそうです。

今では若い世代にとって旧いものにこそ新しさを感じるのか、休みともなると若い方が富岡八幡の門前を中心に賑わっていますし、毎月行われる縁日もなかなかの盛況です。

今年8月に開かれる祭りは3年に一度のビッグ・イベントですし・・・、江戸のいなせと粋を浴びるには絶好の機会であります。

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2008年3月20日 (木)

鈴木信太郎・窓の静物 1959年

42 鈴木信太郎は永年住み慣れた荻窪から井の頭線の久我山に1951年、居を移し、広い庭の開放された環境がよほど気に入ったのか、清清しい画風の絵を描いています。

この静物もお気に入りのものばかりを南に面した窓辺に並べて淡々と描かれていますが、左に見える縦長の壺のようなものは梅原龍三郎からいただいたもので、この壺の豊かなフォルムを気に入ったとみえて、数点描いています。赤絵萬暦と呼ばれるこの壺は梅原のお気に入りでしたから、どのようにして鈴木のところに渡ったのかという謂れは定かでないものの、この形と鈴木の大好きなヨーロッパの民族衣装を着た人形とが酷似していますから、鈴木は直線的なものよりもふっくらとしたボリュームのある曲線を好んでいたのでしょう。

その他の置物もきっと鈴木の目にかなったものばかりなのでしょうが、どれもが一癖もありそうな形をしています。きっとヨーロッパの民芸に近いジャンルのものでしょうが、鈴木の画趣に使われると、独特のスタイルに変幻しています。窓辺にあたる陽の光の色調が、穏やかな春の昼間のようであります。

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2008年3月19日 (水)

1968年・都市住宅

Img_6559 Img_6560 Img_6561 仕事柄、古い雑誌も捨てられない事が多いのですが、周りの皆さんは、スキャナーを通して、PCにデータとして取り込んでいるようです。確かにそうすればスペースもスッキリして気持ちよいことは分かるのですが、自分にとってその時代とシンクロしているような雑誌・資料の類は、そう簡単に潔くはいかないのであります。

この、都市住宅誌も何十年分をストックしてましたが、処分しようと決心したものの、昨今の古本市場の非情さもよく分かっているので、熟慮を重ね、1960年代から1975年あたりを残し、その他を廃棄しました。残した中でも、最も私が気に入っているのがこの写真の二冊であります。いわゆる建築におけるバナキュラー(地域性)を採り上げたものですが、この頃、建築だけでなく音楽・絵画などにもインターナショナルな無国籍感覚とのバランスをとったのか解りかねますが、同じ傾向が芽生えだしました。この頃、私が興味をもってどっぷりと嵌まりこんでいたブルーグラス音楽・サザンロック音楽にも地域の伝統を絶やさないリズムや音色が散りばめられてました。

この雑誌を見て、1965年頃から始まったジーンズ革命のような、カジュアルでありながら普遍性をもった自分が楽しむための道具としての建築に、私世代はたいそう影響を受けたのであります。今や、エコロジー建築が大きなトレンドとなっていますが、この時代はもっと個人の楽しみとしての建築といった要素が強かったように記憶していますし、当然、WHOLE EARTH CATALOGの影響も多大であったこと、間違いないのでした。

Bji この雑誌に登場したシーランチという海辺の建物には特に憧れ、わたしと同じような感覚を持った人が多かったのか、この翌年には郊外・別荘地にもそっくりさんがどんどん建つようになりました。日本ブルーグラス界の名バイオリニスト、佐宗知自彦さんが経営していた苗場・BLUE RIDGEというペンションもこの『アメリカの草の根』の傾向を素直に採り入れた建物で、中にはいると杉の香りもたっぷりでしたから、夜な夜な暖炉の前で繰り広げられるブルーグラスのジャムセッションは、日本でないような感覚をもつほどでありました。

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2008年3月18日 (火)

日向夏・日本の香り

Rimg7526 近場の八百屋から高級食材店に至るまで、何故か店の頭だしはフルーツと相場がきまっているようですが、この辺の経緯はいったい、いつ頃からだったのでしょうか・・・。

どれもがTshirtsにでも印刷すれば面白そうな柄ばかりのダンボールに入っている果実を見ていると、「元気・健康がすべてさ!!!、お客さん・・・」などと言われているようで、ついつい手を伸ばしてしまうのかも知れませんね。

さて、この日向夏という呼び名の日本というより宮崎産の果実は、程よい酸味と香りが海外産の柑橘系より落ち着いていて品がよく、さらに柚子とグレープフルーツの両方の香りと食感を混ぜあわせたような趣きのフルーツです。表皮の色もまさにレモンイエローですし、葉の付き具合は何となく和風の趣きです。ライムグリーンを帯びたこのイエローカラーは他のフルーツの色より一層抜きん出ていて、健康的で知的でなお美しいのです。

最近はこのフルーツばかりが、朝昼晩テーブルに登場するのでありますが、その控えめな香りがデザートとしても最適な気がいたします。

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2008年3月17日 (月)

カメラマンは洒落者だ!

写真:ディミトリー・ボリアPhoto_2

カメラを持つこと自体がステータスの証であった頃は、報道カメラマンもご覧のように正しい男の身なりを以って、被写体に対峙していたのです・・・。

今では汗臭そうな身なりのだらしない輩ばかりとなってしまった報道カメラマンは、他社よりも一瞬でも早くその画像・映像を届けるために身なりなどに構っていられないのでしょうが、もうそこには情けないとしか言いようのない、無様な姿が右往左往するだけです。

この写真は戦後間もない頃のスナップでありますが、GHQに関係する報道カメラマンのスタンバイの様子です。身なりもそうですが、しっかりと、おそらく丹頂かケンシといった銘柄のポマードで固めた頭が時代を読み取っています。

私も従弟が居候していた小学生の時、従弟が居ない時を見計らってだいじにしていた丹頂ポマードを塗ってみたものの、髪の毛が異常に立ち上がってしまい、両親にも見つからないようにこっそりと風呂場で、それも当時ですからお湯などすぐ出るわけもなく、ひたすら冷たい水でポマードを洗い流すのに、それはたいへん苦労したことを思い出します。それでも、異様とも思えるポマードの強烈な香りが、一瞬ではありましたが大人気分にさせてくれました。

この時代の日本映画を昨今、BSなどで観る機会がありますが、三船敏郎をはじめ、男優たちのテカテカ頭は時代の先端であったのです。

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2008年3月16日 (日)

世田谷のパン屋さん・Fortuna

Rimg7516 Rimg7529_2 若い頃と違って、新しいものにすぐ飛びつく好奇心も徐々に薄れてしまいがちな同世代の皆さんが多いのでしょうが、私の場合は仕事のサガとでも云うのでしょうか・・・、一応は今の流れのようなことを掴んでおくのも必要なだけに、雑誌のみならず、自分の眼と足で探して歩く地道な収集が趣味と実用を兼ねているようなものです。

世田谷界隈には数多くの、それも一軒一軒が自信を持って商っているパン屋さんが多いのですが、このFortunaというお店も以前から気になっていたお店ですが、世田谷自転車界のアイドル・高橋千晶さんもご推薦ということで拙ブログに掲載させていただきました。

世田谷通りを松陰神社商店街に入る信号附近にあるのですが、朝7時からの営業というのが嬉しいではありませんか・・・。国産小麦・甲斐北杜の小麦を使用しているので、ふっくらもちもちの食感と丁寧な成形の美しい仕上がりが気にいってますし、トッピングや挟み込まれた食材の厳選さも格別です。レーズンブレッドに使われるレーズン・チキンサンドの鶏肉・ハムサンドのハム・メロンパンの香り・カレーパンの締まった香ばしさ・・・など、どれもよくありがちなアイテムですがその上品さと味わい、そして値ごろ感・・・。朝の出来立てを食卓に載せて頂く小さな幸せ感というのも、なかなか結構なものです。

そしてあと何が足りないかといえば・・・、春に相応しいマイケル・マーティンマーフィーの美しいカウボーイミュージックhttp://www.youtube.com/watch?v=d2Q_89EL-jsでしょうか。

Fortuna (北杜の小麦のパン屋) 世田谷区世田谷1-10-19 コーポオオバ101 

                        電話:03-3706-1977 営業時間:7:00~19:00

                       定休日:火曜・祝日

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2008年3月15日 (土)

雨宿りも出来ます。

Rimg7105_2

Rimg7103世田谷区・尾山台二丁目の一角に見つけた、それはみごとな植栽の景観であります。それも戦前の大邸宅に見られた大谷石とのコンビもお互い朽ち果てることなく今に至っているから驚きであります。相当昔からお住いの様子を呈していますが、圧巻なのはこの植栽がきちんと庇の機能を兼ねているからです。きっと梅雨時の突然の雷雨にもさっと逃げ込めば当面凌げるでしょうし、夏の炎天下にも此処を通れば、日除けの役としてもパーフェクトであります。

大谷石が朽ちずに、きちんとしているのも、きっとこの庇を兼ねた植栽のお陰に違いありません。場所柄とはいえ、あまりにもみごとな景観を成していましたから、スナップいたしました。此処をさらに上ると横浜方面が一望できる見晴らしの良い場所に出てその気分のよさは申し分ありません。ここ尾山台二丁目界隈は更地で虫食い状態となり始めたお隣の田園調布とは一味違った、華やかではありませんが簡素で正統的な街並みを形成しています。

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2008年3月14日 (金)

銀座・MIKIMOTO

Rimg7494 今月11日まで銀座・中央通りに展示されていた、ミキモトhttp://www.mikimoto.com/index_f_ja.htmlのオブジェはあまりにも美しくそのストレートな造形にみとれてしまいました。SHELL CUBEと題されたこのオブジェは日本大学芸術学部の学生のコンセプトを元に制作されたもので、創業者・御木本幸吉翁の生誕150周年を記念して設けられた『銀座スペースデザイン学生コンペティション』で選ばれた作品です。

全面あこや貝で覆われた正六面体は、陽射しを浴びて奥行きのある光沢とグラデュエーションが、上品なオーラを放っていました。海外・メガブランドの稚拙な意匠・造形が蔓延る中央通りにおいて、このミキモトと和光のヴィジュアルプレゼンテーションは日本の誇りを賭けて、海外ブランドをあざ笑うがごとく、格の違いと緻密な段取りの証しを見せてくれます。

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2008年3月13日 (木)

浅葉克己さんの日記

Pages_0011 Pages_0031 Pages_0071 私の関係している学園の大先輩であり、いまだに好奇心旺盛の横綱といっても過言ではない浅葉克己さんが何年も、それも毎日続けていられる日記は、それそのものがいわゆる日記の概念を超えていて、よくもまあ、これだけ書くことがあるものだ・・・などと感心してしまうのです。この画像を観てもお分かりのように、一分の隙もない無い完璧なレイアウトはこのまま『雑誌』なのであります。

浅葉さんのことですから極めて純粋に社会風俗を観ている筈で、ご縁があれば、是非、この日記を垣間見たいと願っています。

浅葉さんといい、ライト・パブリシティの細谷巌さんといい、どうして此処まで几帳面でその上、抜群の絵の巧さなのでしょう。

浅葉さんは誰しもが認める卓球プロですし、毎朝、書をたしなんでいる事でも仲間内では有名ですから、この日記に対する集中力もおそらくその延長線上にある、『日々是練習也』・・・アスリートセンスのたわものかも知れません。

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2008年3月12日 (水)

手遊びノオト・gallery福果

Rimg7483_2 Rimg7474_2 Rimg7475 Rimg7476 Rimg7482_2 地下鉄・神保町駅を降りて、さぼうるの小路を抜ける途中にある『gallery福果』http://www18.ocn.ne.jp/~fukka/ は、肩の凝らないカジュアル指向の企画が冴えていて、その場所もさぼうる1の脇階段を上ったところにあり、東京都心ならではの仕事がてら・散策がてら、実に心地よいひとときを楽しむことが出来ます。

今月7日から始まった中村慎太郎さんの制作によるノオトのカバー展は、マーブル模様・アジアの更紗・日本の縞柄を貼りこんだアイテムの展開が美しく、これこそ本来、銀座・伊東屋にあるべき趣きなのであります。整然と並べられたカバーの布地は中村さんが時間をかけて集められたものばかりで、中には稀少な柄もあるそうです。中身のペーパーも仕事のメモに使うにはもったいないボンドペーパーですから、むしろスケッチなどに使われると宜しいのではないでしょうか・・・。このペーパーはリフィール方式になっていて、このギャラリーに来れば買い足すことが出来るそうですから安心であります。

さて、この画廊以外に、古い建物を活かして新しい時代感性に溢れたジャンルのアート関連の店が東京の其処彼処に増えつつあって、アートの世界も作家の新旧入替えのみならず、アート界と称するカテゴリー・場所・分野の切り替えが顕著に成りだし、ようやくこの分野にも柔らかいアートのうねりが始まったようです。1960年代から様々なかたちでアート界は変遷してきたものの、所詮は狭い世界での出来事に過ぎず、今の動きはレベル的には過去には及ばないという意見が多いものの、明らかにアートを取り巻く環境そのものの動きは外に向けてダイナミックなのであります。

それもこのギャラリーのような小さいながらもメッセージ性を発信している場が増えつつあるからこそ・・・なのであります。

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2008年3月11日 (火)

広重・阪之下 恐怖の谷底!

Photo_2 広重よりずーっと昔の洛中洛外図などでは、雲の意匠を絡ませて装飾的に空間を飛び越す技法が定番ですが、広重はそんな姑息な小技を遣わずにハードなコントラストとソフトなグラデュエーションの両極を以ってその場の風・薫り・気温など空間の要素を全て表わしてしまうというウルトラCに挑戦してしまいました。

東海道五十三次・阪之下 筆捨嶺と題されたこの画趣は、正に広重の感性がフル回転した一枚です。

「そんなところを通ったら危ない!・・・」、と叫ばざるを得ない、谷底までまっさかさまというすれすれを通る牛を連れた親子の位置が、この谷底の深さと恐怖を暗示していますし、お休み処で「絶景かなあ!!!」と叫んでいるような一人の町人の姿が、筆捨嶺の絶景を際立たせています。さらに、お休み処で和んでいる町人たちの談笑が、いっそうこの恐怖感と絶景を助長してくれています・・・。

広重、恐るべし・・・の逸品であります。

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2008年3月10日 (月)

皇居前のお披露目

Rimg7413 Rimg7422 Rimg7423 梶原建二さんがロンドンに永住した後、日本のニールズヤード http://www.nealsyard.co.jp/ を取り仕切る井口明さんが梶原さんのピナレロの名車を譲り受けたことを聞いていましたが、お互いの日程が合わず、ご一緒に走ることが出来ませんでしたが、ようやく日曜に約束を果たすことが出来ました。

梶原さんもそうでしたが、井口さんも背丈の割りに手足が長く、その乗りっぷりはもうしばらく練習を重ねれば素晴らしいライディング・フォームになること、間違いありません。

実は、ニールズヤードの社員の有志が五名ほど5月3日に開催される筑波8時間耐久自転車レースに参加することとなり、私もその一員として走ることとなりましたし、井口さんは立場上チームの監督兼選手ですから、今から練習をきちんといたしませんと、示しが付かないわけであります。

井口さんの走りっぷりを横で併走しながらサドル・ハンドルの微調整を繰り返すうちに、ようやくベストフィットするポジションが決まり、一時間半程の練習の後半にはライディングフォームもそれなりに恰好が決まりだしました。

ポカポカ陽気の皇居前広場には珍しく騎馬警察隊のみなさんが整列していて、普段は観られないエスタブリッシュで優雅なな気配をしばし堪能しました。

午後には16度という絶好の天気となりましたから、多くの自転車好きの方々が何処からともなく現われ、最新マシンに乗って疾走していました。

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2008年3月 9日 (日)

神保町・さぼうるの道

Rimg6925_2 2 いつ行っても閑散としたことなどなく、連綿として続いている店に共通なのは、店主の些細なところまで見逃さない厳しい視線が、程よい緊張感を保っているからでしょう。

此処、神田・神保町の名店、『さぼうる』も店主・鈴木正男さんが育んだ店です。

早朝の東からの陽射しが差し込む以外は、日中薄明かりが周囲を覆っている程度で、暗闇通りなどと呼んでしまっても違和感のない実にヒューマンスケールな道は、勿論、駅からの抜け道ですが、このレトロ感たっぷりの小道を愛してやまない皆さんが多いのでしょう。常に道に散水をして、気持ちよい環境作りを続けていられる鈴木さんは、話し言葉にその江戸っ子の気風の良さが滲み出ていて、小気味良いひとときを過ごせます。

只今、昨年の猛暑で草臥れてしまった植栽もすっかり入れ替わり、春の芽吹きのスタンバイ・オーケーといった状況であります。

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2008年3月 8日 (土)

1948年・渋谷駅前広場

Gui  写真:田沼武能

1948年(昭和23年)、わたしの生まれた翌年の渋谷駅前広場の光景です。こんなだったのかー!と思ってしまうほどの時代を感じてしまう写真です。

忠犬ハチ公の銅像も今の位置とずいぶん異なってますし、舗装されてない土もあらわな広場が哀しそうであります。人の服装を見れば夏の夕方あたりかと思われますが、まだ皆さん戦後の復興も間々成らない頃です。井の頭線のホームに上がる階段の入り口は江戸屋という喫茶店と中華料理店の間に挟まれるほど狭く、いかにもローカル色がたっぷりであります。左に見える渋谷食品は戦後PXからの横流し品で大儲けしたといわれた店で井の頭線ホームが再開発されるまでそのガード下で人気の食品専門店でした。この頃、私の両親などはミルクを買うために久我山から西荻窪のヤミ市で着物と交換して手に入れてた状況ですから、この時代でも、儲ける人は居たわけであります。

もう亡くなったイノベーターという北欧のカジュアル家具を輸入していた村田合同の社長もこの時代には、既に米軍の指定業者としてパイプのベッドを製造していたそうで、そのノウハウが1972年頃にライセンス家具のメーカーとして大ブレークするのでした。戦後の一時代は、それこそ日本に拘らない、ちょいわる系の新し物好きの連中が、カバンに入りきれないほどの現金商売をしていたそうですから、このあたりの話は本当に怖い連中も登場してきて、面白さと怖さ・哀しさが同居しています。

町に匂いが無くなってしまった昨今ですが、この頃はまだ町の匂いが強烈であったことがこの写真を通して感じとれます。

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2008年3月 7日 (金)

The Boy's Own Annual

Img_6116_1 Img_6121_1Img_6120_2 ラジオが普及し始めた1930年代、米英の少年たちはラジオから聴こえてくるサスペンス・戦争・スポーツなどの番組に、耳を傾けはじめていましたが、イギリスの所謂、エスタブリッシュメントの子弟の間では、やはりこの『Boy's Own Annual』を読むことが真・善・美・勇を併せ持つ、きちんとした大人になる第一歩と云われていたように聞いています。

私は子供の頃から今に至るまでひとつのことに集中できない癖があって、小学校4年から始まった英語の授業も、その内容より、配られた教科書の妙にバタくさい絵柄の方に興味がいってしまい、そのせいか、英語が得意であってもおかしくないのに、とうとうまともに洋書一冊読破することなく、今日まで来てしまいました。

そんな私でも、この本には隅から隅まで少年が興味を持ちたくなるような分野から、人を指導する立場になる将来を見越した正統な価値観を身につける教養分野まで、当時最先端の記事・論説や世界の情報がてんこ盛りのようですから、ついついのめりこんでしまいますし、なによりも英国人お得意のペン画による挿絵が少年時代の冒険・探検へのイマジネーションを高めてくれます。

天気の良いこの日、国立の銀杏書房を通して購入して以来仕舞い込んであった二冊を、虫干しいたしました。

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2008年3月 6日 (木)

エドワード・ホッパー・Williamsburg Building 1928

Ed11_1 すっかりフラットな工期短縮ビルばかり乱立するこの東京ですから、昭和の残影が薫る物件も、知らぬうちに解体され、あっという間に大変身などということが頻繁のようであります。外面はいかに堂々たる西欧風でも内側の老朽化を防ぐ手立てもなく、よほどの文化遺産的価値のある物件以外はおつかれさまでした・・・と労うほか手だてがありません。

さて、ツール・ド・フランスをはじめとするヨーロッパの三大自転車レースでは映像の世界でもその美しさを競い合っているようですから、去年あたりからぐっと迫力ある映像がレース以外の景観や名所・旧跡にも及んでいます。へりコプターからの迫力画像を通して飛び込むフランス・イタリア・ドイツ・ベルギーの、中世から変わらないそのままの田舎町の美しさを感嘆しつつ見ているだけで、下手な観光番組よりも行ってみようと思うモチベーションが一気に高まります。こうやってみると、日本の観光地には、ある時代そのままの景観パノラマを自慢できる町というものがないですから、せいぜい正月の箱根駅伝がその面白さも含めて世界に発信できる唯一の国産スポーツかも知れません。

さて、このエドワード・ホッパーが1928年に描いたニューヨークのビルディングの絵にはクラシックな建物の美しさと、ラスティックな素材感が街を穏やかにしている様子を表わしています。厚い外壁に美しい意匠を施した窓からは、このビルのステータス性をも感じとれます。最近のスリムなビルを見ていると密閉されたガラスからは『窓』という感覚が消し飛んでしまって、単なる採光だけの事務用品といった感覚しか覚えません。確かに技術が進化すれば薄く・軽くなっていくのはどの分野であっても、自明の理なのでしょうが、人が息づいている場所では如何なものか・・・などと、独り問答しています。

この絵のなかに独り窓越しに腰掛けている女性がおりますが、思い込んでいるような様子なのか、下の大通りを通過する車や人々を観察しているのか・・・など、想像力が膨らんでしまいます。また、窓一つ一つの遮光カーテンやルーバーの按配も異なっていて、この表現だけでこのビルに暮らす人の生活が垣間見ることが出来ます。

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2008年3月 5日 (水)

丸の内のブラシ売り・1949年

1949_2 GHQ報道カメラマンが撮影した東京の街のスナップはコダック社のカラー写真なだけに、黒白写真とは違い、今との時間が断絶せずに流れているように感じます。

この写真、1949年の撮影ですが、もうこんな輩が元気に丸の内のビル街を走っていたとは!。進駐軍のサングラスに触発され、どこかで探してきたのか・・・、怪しげなサングラスをかけて、イカシタお兄さんに出来上がっています。後ろに積んだ竹籠の素晴らしい職人仕事にも感心しますし、この時代はずいぶん立派なブラシ類を売っていたものです。この界隈は丸ビルをはじめとする三菱地所の独占地でもあるわけで当然お目付け役も多く、この輩がビル内を自由に歩き廻るわけにもいかなかったでしょうから、丸の内の通りを最新式とは決して呼べそうも無い自転車に乗って自由自在にかっ飛ばしていたかと思うと、愉快な光景でありますね・・・。

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2008年3月 4日 (火)

駅なかの、ぶら下がりショップ

Rimg7042 表参道駅に久しぶりに降りてA2出口に向かう途中、ひとつのアイテムに絞り込んだコレクションのコーナーが目に入りました。この場所は年中イベント的運営を企画していて、このときは小さな袋物ばかりが、ぶら下がっていました。

最もプリミティブな商品展開手法であるアイテム・コレクションは商品テーストの傾向がある程度揃っていると、なかなか気持ち良い環境を生み出してくれて、洒落た場面に変換してしまいます。

気の効いた価格商品を提供しているこのブランドには犬の散歩に便利そうな袋物がごっそりと並んでいて、私も近づいて見入ってしまいましたから、販売の女性に怪訝な顔をさせてしまいました。

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2008年3月 3日 (月)

水彩の習作!

013水彩画のもっている魅力のほとんどは、偶然性と一発勝負だと思っていますから、たまに時間をとっては、ひたすら無心に成り行きで思いついた画面を描いてみます。

理想は、ほとんどアスリートのような感覚で、練習に練習を重ね、ある時期から自由に自分の思い通りに画面をコントロール出来たらば最高なのですが・・・。

この日、久しぶりにRowneyの固形水彩を出して、何種類ある紙からMOREAUという紙の300g細目を選びました。この紙は最近気に入っているもので、発色・吸い込みが冴えて010います。

先にセルリアンブルーの空を極太の筆で一気に描き、乾き切る前に水だけを含ませた筆で上から下ろすと、偶然から生まれる雲が現われます。この感じは紙の種類によって効果がまったく異なりますが、今のところ私はこの紙がきれいに表現できると思っています。

草原はゴールドグリーン・サップグリーン・バーントアンバー・イエローオーカー・セピアの各色をたっぷりと、やや濃い目に作りパレット上で混色していきますが、二色以上の混色は濁りが生じあまりお奨め出来ません。ベースとなる背景が出来ればあとは味付けに樹木らしきもの、反射する水辺などを表現するとほんの5分ほどで、出来上がり・・・という訳でありますが、最初は躊躇いがちになって、勢いで描くことに慣れませんから・・・ひたすら、速く黙々と数多く描くほか、ないのです。

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2008年3月 2日 (日)

小石川は春遠し!

Rimg7081 冷たい風が毎日といってよいほど、吹きまくっていましたが、3月1日・土曜日は久しぶりに穏やかな日が約束されたかのような、朝の天気でした。

小石川植物園に向かって、自転車で駒沢から目黒通りを経て、皇居・御茶ノ水・水道橋から春日通りに抜けて、スピードも上っていたのか、45分程で到着しました。この植物園が初めてという方もご一緒でしたから、天気が悪くならないことだけを願っていましたが、御茶屋さんで一服したと同時に、雲が空を覆い始めました。それからは案の定・・・、いつもの冷たい風が少しづつ吹き始めました。

まだ春には程遠い気配の植物園でしたが、梅はさすがに三分咲き・満開・散る寸前と種類によって様々で、此処だけは梅特有の優しい芳香を放っていました。天気は薄曇となってしまいましたが、それが幸いして、梅の淡い色彩が効果的に映えていました。

Rimg7085 ランチは一度来てみたかった、飯田橋カナル・カフェhttp://www.canalcafe.jp/top.htmlのバイキングと洒落込みました。多分、時間的に混んでいると予測してましたが、お天気のせいか運よく空いていて、充分に堪能させてもらいました。うっかり、プレートに並んだメニュー写真を撮り忘れてしまい、ありきたりの風景写真しかありませんが、飯田濠の肌寒い感じがお分かりいただければ・・・、と思います。

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2008年3月 1日 (土)

とある、四谷の自転車屋さん

Rimg7022 Rimg7018 Rimg7026 Rimg7029 スポーツ用自転車の店はこの3年の間に、東京都心でも増え続けていますが、殆どの店は自転車好きの店主が始めた類ばかりですから、どうしてもハード中心になり勝ちで、店内の導線から品揃え・その店の特長を出すことには全くの素人ばかりが多く、主となる自転車でさえも何でも置いてある・・・というのが実態であります。

そんなご時勢の中、この PSYCRITHM http://www.psycrithm.com/というやや拘ったショップ名の店は、偶然にも四谷三丁目を曙橋方面に向かった際に見つけたスポットです。入口は狭いのですが、中に入るときちんと整理・整頓された商品群のゾーニングが明快で、たいへん選び易く構成されています。他店ではお座なりになりがちな小物も勿論整理され、ブランドを絞り込んでありますから、迷わず安心して選ぶことが出来ます。一番感心したのは自転車の展開が床置きから壁掛けに至るまで流れが分断されずに、比較検討出来やすい点でしょうか・・・。

都心の絶妙なロケーションにあるこの店は、まもなく衣料も充実させるようですから、洒落っ気のあるサイクリストは目が離せませんし、何よりも同業他店の皆さんに品揃えの鑑として、ご覧いただきたい一押しのお店です。

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