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2008年4月19日 (土)

鈴木信太郎の『北大構内』・1933年

28 鈴木信太郎の描く風景画のなかで、とびっきり色彩・構成・デフォルメの三拍子揃った画趣の作品です。この年、北海道を訪れた鈴木新太郎は数多くの作品を遺し「どこか北欧らしい透明な光が流れて、目が覚めたような複雑な緑の色が冷たく肌に触れてきた」と語っているように、北海道の風土・風景をたいへん気に入ったようであります。

この絵はご存知、北海道大学を描いたものですが、鈴木の独壇場である緑色の配色と空の色とのコントラストが一層冴えわたっています。日本画壇の中ではさほどの評価を得なかった鈴木でありますが、今の時代だからこそ、もっと再評価されて然るべきかと、独り思うのであります。

鈴木の身体的ハンディキャップから、この絵も車椅子のままか、芝生に座って描かれたか定かではありませんが、その視点の低さが鈴木独自の構成へと繋がって観る者に安定感を与えてくれますし、木々の力強い在り様が画面全体の柔らかさを強引に引き締めています。

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