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2008年4月18日 (金)

頑固親爺のいる街

Oyaji03 写真:筒井義昭

小学生の頃、生前の父にくっついて行った街は神田・銀座・日本橋などに限られてましたが、絵描きの父は普通の店など寄らずに画材であれば神保町の文房堂、本であれば誠志堂、文房具であれば銀座の伊東屋・日本橋のはいばら・・・などといつも好みの店が決まっていて、子供の私は何でいつも同じ店にしか通わないのかなどと思いつつも、一番最後の食事位が楽しみなだけに、辛抱して後を付いて歩いていました。

父が何故こんな老舗ばかりを贔屓にしていたのかは、やがて私が商業に関係する仕事に携わるようになって、それもずいぶんと年を重ねてから、その理由のようなものに気付いたのです。

結局は、夫々の店にどすんと存在している生き字引のような職人的番頭さんやご主人との語らいによって、物品交換だけではない、夫々の世界のもつ特殊性を嗅いでいた模様です。今は、POS管理によってちょっとした訓練を受ければ誰でも受発注出来うる時代でありますが、父の通う店にはそのような単純な発注で済まされる類の店は殆どなくて、どの店も主張する感性・同時代性に独特のひねりとストレートなメッセージを店内から発信していたように思います。今では代替わりしてこれらの店の何店かはその以前の発信力を放棄してしまったところもありますが、街が面白いということは面白い人間のいる街だから成立すると断言できます。

京都が面白いのはこの写真の『三月書房』 http://web.kyoto-inet.or.jp/people/sangatu/ のように、ジャンルを超えたセレクト・ショップのエッセンスに浸れる店が、まだ其処彼処に一流の審美眼を以って点在しているからです。

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