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2008年5月31日 (土)

杉浦茂・猿飛佐助

Rimg9748_2 Rimg9872_2 テレビが普及する以前の話ですが、小学校2年生になった1955年頃、全国の少年に、はしかのように、集英社・おもしろブックの杉浦茂の漫画が伝播蔓延しました。その中でも、この猿飛佐助は当時の子供のレベルでは難解・意味超越なハイパーギャグと、次々と登場する愉快なコラボ・ネーミングの登場人物、そしてスピーディな場面展開を通して、あっという間に日本全国に杉浦人気を不動のものとしました。

当時、漫画の市民権など皆無な時代でしたが、私の家では、やや先進的なものごとに理解のあった父のおかげで、他所のご家庭のように親に怒鳴られる事なく、あっさりと本棚に教科書と同列に並ぶようになりました。

猿飛佐助に満載の、リズミカルな調子のギャグは、一気に校内にも蔓延仕出して、昼休みの校庭はさながら、このギャグを真似て、真田十勇士と徳川方の隠密との忍法騙し合いを楽しむが如くでした。しかも、この漫画のお陰で、低学年から高学年までが先輩・後輩関係なく同学年化してしまいましたから、昼休みは普段接触の薄かったお兄さん方ともお近づきになることも出来、この後、私世代が先輩に対しても怖れなく接する度胸のあるのは、ひょっとすると、というよりも殆ど、杉浦漫画の影響が相当なウェイトを占めているように思われます。

集英社・おもしろブックはその後、40年近く家の奥に麻縄で縛られて保管してありましたが、10年ほど前、古書店に仰天するほどの高額で売ってしまいました。しかし、子供時代の記憶を辿るために、最近ネットを通して、杉浦茂ワンダーランド・第五巻を、これも定価の三倍以上という相当の高値で購入して、53年前と同じように大声を出して、笑いこけています。今、この漫画を観ていると、その、新旧の画風の組み合わせ、今も光彩を失わないナンセンス・ギャグの鮮度・・・など、もうアバンギャルド古典の風格なのであります。人によってはこの漫画をまともに人生の字引にしてしまった、アーティストも少なくないようですし、私などは、楽天主義の基盤をここから刷り込まれてしまった感が、おおいにあるのです。

因みに、猿飛佐助に登場する、以下の人物のネーミングをみると、中には、当時の風俗・ヒーロー・事件が見え隠れしていて、半世紀以上の経過を感慨深く思うのであります。

さるとびさすけ にせさるとびさすけ どろんきえのすけ こうもり小僧  コロッケ五えんのすけ とざわはくうんさい さなだゆきむら ふうせんガムすけ たまのり小僧 おもしろかおざえもん やさいサラダのすけ ちくわあなの守 くろまるぽんた たまごきみのすけ まるいがんものじょう おおてむちゃのすけ うどんこプップのすけ もなかあんの守 なんでもポキンのすけ ヨーヨーたろう いくさすきの守 だんごくしの守 かまぼこいたの守 こうもりずるの守 するめいかのすけ フライビンズのすけ おちゃづけ三ばいのすけ ハムカツ十円のじょう ビキニまぐろのすけ さばのじょう おおめしくうぞう たんげ五ぜん ろくどうざん ちゃちゃきこじろう どらまてんぐ がまぐちふくらみのすけ デコぼう あらますごえもん(すげーもん) まるいだいふく バテレン怪人 怪人鉄の爪 ビタミンカロリーのすけ(ビタミンBすけ)
えいようバタすけ ごうけつあかマント あんこすきの守 カッパタロー おおそうじでんじろう
くろいよしお からてチョップのすけ らくどうざん ジャガタラいものすけ すがた三五ろう
しみずごろちょう トンヤンライ やきそばろうじん ポコペン小僧 ガボガボ仙人
やきぶたにいちゃん らっきょうぼうや デレンメガネのすけ

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