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2008年8月18日 (月)

広重・両国宵月

Photo 広重といえば東海道五十三次や江戸名所百景のような諸国観光振興の一役を担った、色鮮やかな分かりやすいシリーズが有名ですが、この東都名所・両国の宵月と題された画趣には、グラフィック的シンプルさは消えて、極めてリアリズムに徹した強い素材感が前面に押し出されているように感じとれます。

両国橋の橋桁が大川の強い風にささくれ立って、ラギットな木の様子がみごとですから、奥に見える夕焼けと、藍色から浮き出てちらりと覗く月の円弧が、スーパーフラットな無機的感覚を表わしていて・・・、もうこのレベルのデリケートな感性の配分は広重天下そのものであります。この構図などは絵画史上、世界で初めての視点ともいわれますが、普段見慣れている景色を少し視点を変えてみるとこんなにも違う光景なのだ・・・ということを指し示しただけでも、世界の画家、そして映画監督への影響力は多大であったのでしょう。

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