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2008年9月 9日 (火)

藤森照信さんの表現。

Rimg12306 Rimg12307_3 専門的なことは分かりませんが、建築、それも住居分野においては、方やラグジャリーな表層様式物件・方や永遠の夢である住宅のスタンダード化に向けて良質・適性価格http://www.bionet.jp/standardhouse/・・・など、この分野もファッション業界同様、二極分化の傾向になりつつあるようですが、例えば、この茶室『一夜亭』などはそのどちらにも属さないもので、首相を務めた後、ご先祖さまのDNAが降って沸いたように作陶に目覚めた、細川護煕さんの住まいの一角にあるものです。住宅ではありませんが、この写真からも、その魅力たるや、スタジオジブリの映画に登場しそうな、おとぎの国の物件のようです。

設計は藤森照信氏。 藤森さんはこの世の森羅万象の研究家でもあり、世界の民俗学から道端の考現学までが発想の源流ですから、吸収する幅と奥行の記録は想像を絶するようなデータベースとして脳内にインプットされ、依頼された地勢・風土・風景に実にぴったりとした風貌をアウトプットとして登場させます。元来が真面目な建築史の学究肌ですが、赤瀬川原平氏の自宅を設計して以来、その感性に驚愕した仲間から口コミで設計依頼の話が、拡充していったようです。

楽しくなる造形と素材のあしらい、さらに太古の動物としての感性を呼び戻してくれそうな、空間処理・・・など、藤森ワールドにはまだまだ玉手箱の中のように、アイデアという金貨がザクザク・・・といったところでしょうか。

細川さんが目論む、現代の形式化と組織化の茶道に対するアンチテーゼを、このような楽しい茶室を以って表現したことは、藤森さん、さすがの策略家とお見受けしました。世が世であれば、アンチテーゼなどを管理する側の細川さんですから、見ようによっては、政治では達成できなかった変革を、お茶の世界を通して楽しく成し遂げんとしているのかも知れませんね・・・。

そんなことですが、さて、スタンダードな住宅設計にも、勿論、施主の揺るぎない暮らしの羅針が明快なことが条件ですが、遊びとゆとりの溜まりの一角を生み出すことこそ、日々の楽しむひとときを演出するのに、欠かせないのは確かですね・・・。それこそが、建築家の力量のフォーカスポイントかも知れません・・・。

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