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2008年10月21日 (火)

桐生・『芭蕉』 棟方志功 幻の壁画現る。 

Rimg13365 Rimg13389 Rimg13392 Rimg13370 Rimg13387 18日に所用で出かけた群馬県桐生市で、今、全国的話題といえば、『芭蕉』という洋食屋さんから55年ぶりに出てきた、棟方志功の壁画でしょう。このお店は小池魚心さんが1937年に開店した料理の店ですが、この画像の通り、物凄いレベルのセルフビルドな建物で、棟梁・大工とのすったもんだの結果生まれた、世紀の不思議空間です。これまで多くの文人墨客も押し寄せ、今もそうですが、なかなかの繁盛店であります。店内はいわゆる民芸品、それも今では絶滅してしまった道具が大小、処かまわず置かれていて、この世界の数寄者の関係者には知られた存在でもあります。

さて、創業者の小池魚心さんが、縁あって、棟方志功の壁画を入口を入った場所に間口約3メートル、高さ約2メートルの大きさで描いてもらうことになったのが、1953年5月11日。志功絶頂期の頃でもあり、描かれた馬と天女には勢いと優雅さが絡み合っていました。しかし、小池さんが棟方さんに依頼したテーマは馬だけで、天女など、全く範疇にはなかったのです。馬だけかと思いながら描く棟方さんを観ていると、天女らしきものが馬の周りを踊り始め、もうここまで来ると、小池さんといえども、ストップをかけるわけにもいかず、棟方さんの罠にはまってしまったのでした。記念写真をみても穏やかな関係者の風貌ばかりですが、棟方さんが帰ったあと、激怒した小池さん(左から2番目)は何とこの壁画を砂漆喰で覆ってしまい、その後、今年8月まで55年間封印されてしまいましたが、周囲の後押しもあって、小池一正さんが公開の英断を決めました。この店の剛毅な雰囲気からして、この天女の艶やかさは、全く対極にあったものでしょうが、55年という年月が艶っぽさを通り越し、原色であれば鮮やかなルビーピンク・ターコイズグリーンであったであろう色調にも落ち着きが生まれ、今ではみごとに店に馴染んでいます。

一般公開は11月に入ってからということですから、店も改修中でお休みです。今回は小池魚心さんのご子息・小池一正さんに無理やりお願いして、潜入させていただきました。モノクロの2枚の写真も小池さんのお陰で見せていただくこととなったのです。

さて、『芭蕉』は洋食全般を扱ってますし、不思議空間での夜の一献は、この店以外では体験できないほどのイリュージョンとともに、至福のときを満喫できます。もちろん、昼間の営業もしています。

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