アントニン・レーモンドのスタジオ
写真:新建築社
1962年・軽井沢に造られたアントニン・レーモンドの軽井沢スタジオは、浅間山を一望できるロケーションにあって、夏の設計工房として使われていました。レーモンドはアメリカ人ながら日本の風土・風景・そして風味までも自分のなかに採り込んで、実に軽快な和的構成を成し遂げてくれます。別荘兼用の羨ましい限りの建物ですし、此処に吹いてくる浅間山の風はいかなる様子であったのでしょうか。
南に開放されたベランダは全ての建具を取り外せたそうですから、どれだけ豊かなパノラマ風景が展開されていたかを雑誌を観ながら勝手に想像するだけでも、豊かな気持ちになれるというものです。
この設計室のレイアウトなども寺子屋のようであり、優しい空間ながらも緊張感に覆われた静かな時間が流れている状況が浮ぶようであります。
今改めてアントニン・レーモンドの仕事を雑誌を通して観ていますと、彼の自然観・人間に対する誠実さなど、都市を中心とした情報誌のネタ程度しかならない昨今の建築家の仕事との、その志の置き方の違いが明快であります。
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