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2009年2月 8日 (日)

1949年・神田 神保町

1949写真:木村伊兵衛

初めて手にした海外の雑誌は、デザインに関係したスイスの雑誌・GRAPHISだったかと記憶しています。印刷大国スイスを象徴するかのごとく、その美しい紙面には、素晴らしいグラフィックデザインの典型ばかりが、満載されていました。銀座・イエナの二階にあがると、最新の海外雑誌をはじめとして、豪華な写真集・インテリア関連の本などが、整然と並べられていましたが、まだ10代でしたから、洋書の売場で立読みするのも、何となく気後れして、気まずい思いもどこかにあったように記憶しています。それでも銀座の洋書屋さんのもっている雰囲気が大好きで、洋書を開くと香る独特のインクの香りにまだ知らない世界をイメージしていたのです。

さて、戦後間もない、神田神保町の露店で立読みしている写真を観てますと、おそらく、PXの横流し経由ではないかと思われる雰囲気の雑誌が、ぎっしりと並んでいて、チョット前まで敵国であった国の風俗の豊かさを、実感している様子がうかがえます。当時も相当な高価格で販売されていた筈の海外雑誌には、勝戦国の活気ある風俗から物産まで、ぎっしりと掲載されていたのでしょう。

まだまだ神国・日本の敗戦を信じない大衆も多かった頃ですから、すっかり外国人になりきった、うつむき加減な、ハンフリー・ボガード風の店主が、何となく気まずそうに写っています。普段は堅気の仕事をしていたのでしょうが、この商売に味を占めてしまったのかも知れません・・・などと勘繰ってしまいます。

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