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2009年2月13日 (金)

きんつばの姿。

Photo 吉祥寺北口を降りると、そこはバスが連なっていて、初めて来た人は、どのバスに乗ってよいのやら、ちんぷんかんぷんな様子でした。バス停で並ぶ最後尾が何処行きかも分からないまま、違う目的地に行ってしまった人も多かったはずです。バス停の左を進み、今のパルコに向かう平和通り商店街を歩いていると、菓子屋さんが何軒かあって、その中に「きんつば」を店先で作っている和菓子屋さんがありました。

頂き物の石鹸のようなプロポーションをした羊羹のようなものに、白いでんぷんのようなものをつけて、鉄板に乗せるとジュウジュウと音を立てて、不思議な姿の「きんつば」が出来上がるのでした。出来上がっていくきんつばは横の白木の板に整然と、しかし、微妙な隙間を空けて並べられ、しばらくすると、ドミノ倒しのような列を成すのでした。

これは50年程前の記憶でありますが、小学校の帰りに、吉祥寺北口駅・平和通りの店を観ながら帰るのが、楽しかったのであります。小学生でしたから買い食いなどもまだ出来ぬ頃で、同じ学園の高校生などが店の中に入っていくのを観ていると、一日も早く、高校生になりたくて、たまりませんでした。

きんつばという不思議な名称の菓子は和菓子の世界では、さほど上級のランクではなく、むしろ、日々の「おさんじ」や植木屋さんに出す茶菓子の代表といった役目の多い菓子でした。子供の頃、「羊羹は餡子の塊程度」としか認識がなく、きんつばの「食して初めて分かる、簡素で風雅な侘び寂び味覚」を知ったのは、高校生になって、秋の文化祭の準備を終え、真っ赤な夕日に染まる店先の買い食いでありました。

さて、このきんつばですが、これ一筋を追いかけて全国ウロウロする「お好きな方々」も多いようで、確かに、野原に放置された瓦のような風情は、渋好みの諸氏のお茶の共としては、ベストチョイスなので、あります。

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