アルフレッド・ウォリス『緑の野原の側を横切るブリガンディーン』
ケンブリッジ大学 ケトルズヤードに所蔵されているアルフレッド・ウォリスによるこの絵は、帆船のもつ魅力的な美しさが素直に表現されています。
彼の、天然で実学的に身に付けた色彩感覚はここでも十二分に発揮されていて、このイギリスのライトウェイト・スポーツカーの色見本帖のようなグリーンと、海として表現されたセルリアンブルーとライトグレーの混色との対比が素晴らしく、この色の対比は他の絵描きには見られないウォリス独特のセンスです。さらにグリーンと補色関係にあるブリックレッドの色の使い方などはグラフィックデザイナーの感性であります。
漁師・船乗りとして、毎日海の生活を厳しく過ごしてきた男だからこそ表現できる、深みのある配色が彼の絵の魅力の全てですが、それにしても帆布が風を受けて膨らんでいる感じも出色ですね・・・。
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