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2009年5月23日 (土)

街角の景色

Cti 穏やかな景色と街並が程よく溶け込んでいるか否かで、大規模商業施設から小さな個人商店の外観にいたるまで、その地域に行きたくなるかどうかが決まってしまうような、世代を越えた感性の変化が生まれてきつつあります。

長い間、商業環境の平準化・テナントの寡占化に危機感を持った良識ある商業企画専門家の中に目覚めだしたのが、地域の全体観を意識して、理想に向けて地道な運営管理をしていくという極く当たり前のことなのです。花火のように立ち上がりばかり目立ち、その後は萎れるように衰退してしまった全国の商業施設をはじめとする地域開発は今やダサイの一言で済まされないほど、ゴーストタウン化の流れが止まらず、各県の中心となる商業地域の不気味さは、そのまま、ノーコンセプトの行政・業者の馴れ合いのなれの果て・・と言われても返す言葉がないのでありましょう。

パリの街角には、100年以上変わらぬ、人が時を過ごす愉しみのハードとソフトがあり、他には見られない独自の趣きもあって、その密度の濃淡が観光人気と比例しているようです。賢い観光目的がメジャーな場所巡り中心から、小さな町にゆっくりと滞在する方向に傾いているように、この緩やかな嗜好を中心とした人の価値観の変化は、即ルーティーン化してしまった観光事業の当事者にも栄枯盛衰の津波を被る羽目になるか否か、夫々のトレンドをどう読むか、えらい時代となってしまったものであります。

綺麗な白いテーブルクロスに薄焼きのトーストとシンプルなスクランブルエッグ、そして使い込まれた銀器に容れられた芳ばしい珈琲・・・、1967年、初めての海外旅行で体験した、身近で簡素な上品さこそが、平凡な毎日の過ごし方に洒落っ気を浸透させてくれた身の丈周りの景色なのです。

此処日本にも身近ながら景色の良い町と界隈が、ひとつでも増えていくことを願っています。

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