鈴木信太郎の『越後の海』
1937年(昭和12年)に越後を旅した鈴木信太郎は柏崎近くがよほど気に入った場所だったのでしょうか・・・、此処からの風景を数枚描いています。佐渡の方向を描いたこの絵にも、鈴木信太郎らしい深い緑と青の重ねによる独特の、上品ながらも力強い表現をしています。
豊かな家庭に生まれた鈴木信太郎らしい避暑モチーフで、あたかもデュフィーの南仏蘭西の光景のようにも見てとれます。この絵の中では樹木の表現が卓越していて、琳派のそれにも通ずる大胆なアレンジぶりであります。
昭和の暗い時代の年 http://www001.upp.so-net.ne.jp/fukushi/year/1937.html に描かれたにも関わらず、鈴木信太郎は黙々と明るい生活の画趣に向けて、ひたすら画業に勤しんでいたのです。
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