デュフィの南仏
デュフィーのさらっと描いた軽いタッチのデッサンに近い画趣も、軽快な空気が部屋中に溢れてご機嫌なのですが、かたや、この画趣のような、絶妙な混色によるブルーを基調とした、深みのある一枚も捨てがたいのです。
こってりとした重ね色の効果は、下地の色を吸い上げて、単色では表せない、華麗な雰囲気を生み出します。デュフィは装飾画家としての経験の長さから、アート指向というよりも、グラフィック指向が強く、その、構成とアドリブに近い、コントラストのセンスは、今もって、光彩を放ち続けてくれます。
この画でいえば、右のパームツリーの葉に見られるインディゴ・ブルーのアレンジなどは、さしずめ『アドリブ王』の面目百花とでもいえるのでは・・・。
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