三田・幽霊坂
幽霊坂という名のつく坂道は東京には数多くあって、今もその名の通りの首筋のぞくっとするような雰囲気は、不滅であります。
此処、三田四丁目の幽霊坂は二本榎通りの尾根道を桜田通り側に下るところにあって、この界隈は、実相寺・常林寺・隋応寺などの寺が固まっていますから、そこから由来した名前といってよいでしょう。昼間ですと日の陽射しをまともに受けますから、此処を5回ほど往復すれば、もう吹き出る汗は止まることがありません。二本榎通りは都心を縦走できるご機嫌な尾根道で、一年中、特に早朝は風も気持ちよく走り抜けることができますが、あっという間に慶応義塾界隈に出てしまいます。ちょっと脇道を愉しみたい方には、幽霊坂・蛇坂・潮見坂などの名前に素直に引き寄せられてみては如何ですか。江戸時代とさほど変らない環境が良好に残されている界隈からは、狭いながらも、独特の古臭い薫りと各寺から漂う御香の香りが、和の世界に引き寄せてくれます。
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