一億一丸!
写真:日本テレビ
何ごとも一億一丸となって・・・などというご時世はとっくの昔に消え去り、今では一億夫々がお好きなようにといった風潮が、各分野でも浸透してしまった感があります。
電車の中の携帯電話を押し続ける群集を見た友人のフランス人が「キモチワルーイ」と叫んだのにもうなづいてしまいますが、世間はまったくこの個人化していく兆候に意外と無関心のようです。
先日などはヘッドホーンでiPodを聴きながら、さらに何と!、携帯電話を見ながら逆走する自転車が,こちらに向かって来ましたから、さすがにこの時は私も車のウィンドゥを開けて、大声で怒鳴ってしまった次第です。
こと左様な勝手仕放題の状況なのですから、個々個人に対応する商品を作って売る立場の皆さんも、知恵の出し合いよりも知恵が枯渇してしまう段階なのかも知れません。
一つのモノが風俗にまで影響を与える携帯電話・音楽プレーヤーなどは、その英知と技術を個別対応機能に集中しているのですから、ICの果たした個別への技術の進化はまだ止まらないのでしょう。
昭和30年代のテレビの黎明期の街頭写真などを観ると、ただ懐かしさだけでなく、皆が共通の体験をしていることが後を引き、今でも集まれば他愛無いあの頃の話に花が咲くだけなのでしょうが、案外、鮮明な追憶として同時代性のもつ安堵感が、人生の潤滑役を果たしてくれたように思います。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント