洋食に出会いだした頃!
今や、なんでもありの東京のレストランですが、その昔、まだスパゲッティーといえばナポリタンかミートソース程度しか存在していなかった1960年代はじめ頃、父に連れられ六本木のレストランで食べたスペイン料理には、びっくりしました。
その新鮮な魚介類がふんだんに盛られ、レモンがたっぷりと放り込まれた鍋など見たこともありませんでしたから、ただひたすら喰らいつくしかありませんでした。魚介の絶妙に混ざった出汁の香りは未知との遭遇でしたし、ワインやオリーブオイルを隠し味にしたその風味に感動しっぱなしでした。それが、パエリアという名の料理であったことを知ったのは、後に車で遊び出した1966年に入った、横浜・馬車道のビストロでした。
この翌年1967年、「海外自動車レースとジュネーブ・トリノ自動車ショーの取材のアシスタント」という振って沸いた勢いのある話に便乗して、初めてのヨーロッパ旅行に行くこととなり、西欧の食生活に慣れるため、東京都内のイタリア・ドイツ・フランス・スペインのレストランに、手当たり次第入りました。
東京オリンピックも終わって、一気に近代都市の様相を呈しはじめた頃でしたが、今から思えばずいぶん怪しげな店も多く、どきっとすることもありましたが、さほどトラブルもなく今日に至っています。
この時代、特に赤坂・六本木には怪しげな店が多かったのですが、そういう店に付き物の胡散臭さと貧乏臭さが無かったからこそ何処も大繁盛していました。やがて、多くの店は妖しさ・艶っぽさに変わったものの、現在も上昇志向の輩は、この町にとめどなく吸い込まれていくのです・・・。
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