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2009年10月24日 (土)

煎餅屋さん。

Rimg16643 コンビニストアでぶら下がっている「酒の友としてのつまみ」と云わんばかりのコーナーでは、乾き物の王道として煎餅の類もイカの函館焼きの隣に並んでいて、なかなか微笑ましいものでありますが、何か陳列のせせこましさがお気の毒といった感じは免れません。

それでも、たまに浅草の商店街を歩いていると、正統・本流な煎餅の店に出会うことがあり、その清祥たる姿に、身震いなど起こしそうなのであります。

このピカピカに磨きこまれた手吹きガラス瓶とアルマイトの蓋の容器を見ると、小学生の頃、吉祥寺の文房具屋の店頭に並んでいたボンナイフや蛍光色のような消しゴムが、この容器に入っていて、その色と反射からお菓子のようにも見えたことを、ふと、思いだします。

この容器には銘以外は何も書かれてなく、誰も気になる値段などは省略され、「商いのすべてはお客と店主との会話から始まる」、といわんばかりのみごとな割り切り方です。白い和紙・赤い和紙の自由な順列を見ていても、小さなことに拘らずといった、この店のゆとりさえ感じてきます。

昨今は、お客と店との会話など望まない世代が増え、世間はますます、空虚な気配が多くの街にも忍び寄っていますが、この店の煎餅たちを観ていると、浅草の街は会話と笑顔に溢れ、空虚な気配を納得いかない人々によって、支えられていることを実感いたします。

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