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2009年11月22日 (日)

吉田健一・銀座徘徊

Photo写真:文芸春秋社

1966年から2年ほど銀座の山とスキーの店『秀山荘』でアルバイトをしていましたが、ある日の午後4時過ぎ、店の前のすずらん通りを、人力車ですーっと走り抜ける、ロンドン仕立てと思しきダブルのスーツを着こなした、長身の紳士がいました。

この光景を、その後も何度か見かけたのですが、そのあまりにも威風堂々とした姿に、アルバイト仲間と店の自動車を洗車しながら、見とれていました。そのお方が何方かなど知る由もなかったのですが、偶然にも、秀山荘の前で人力車を降り、そのまま他所の店にでも行かれるのかと、思っていたのですが、何と、秀山荘の額縁仕様のウインドゥを覗かれて、にこにこと微笑んでいました。その姿を観ていた店主に「あの方は、吉田茂さんの長男で吉田健一さんという小説家ですよ」と教えていただきました。

この文芸春秋社が保存している写真は、私たちが実際に目にした時代より少し遡りますが・・・、銀座の徘徊達人らしい姿を記録しています。

吉田茂を父・牧野伸顕の長女が母、という家庭に生まれ、幼くして日本・中国・イギリスという東西の、それも一流の空気を吸い、父の姿を観てその反面教師の影響か、文士として、放蕩人として、名作数知れずの名著・随筆を遺しました。その独特の自由奔放な句読点リズムの文体は、なかなかのオフビート感を伴い、真面目な文法家ならば、怒ってしまいそうでもあります。

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