父の似顔絵 1956年
出版社の編纂が主たる生業となって、自分では本業と思っていた画家の仕事は、殆どすることも無くなりだした1956年頃の父を描いたものです。
久我山の家の北側の殆どを父のアトリエが占めてましたが、出版に関わる仕事が増えたために、そのアトリエの気配は画家のそれというより、作家のそれ・・・、と見まごう如く、部屋中、本の山積みとなっていましたから、子供にとっては、父のいない間を狙って、忍び込んで、分からない本を開いたりするのがスリルもあって、探偵団の真似事のようなことばかりしていました。当時、父は慣れない出版の仕事のストレス発散のせいかヘビースモーカーで、ピースの缶入りを手放すことなく、散歩に行くにもその缶を手放せなかったのです。
仕事は夕方には終え、とりあえずビールを手始めに一人で晩酌をして、野球中継をラジオで聴くのが日課のようでした。
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