桂離宮 アバンギャルド感覚
桂離宮の御殿の話は簡素美という一言で片付けられそうですが、こと細かな部分には、簡素な仕事ばかりでは物足りないといわんばかりに破天荒な技巧美が点在しています。御殿の周囲の敷石にも、整然と破調が絶妙に混ざり合い、アバンギャルドな中にも宮家の別荘としての品位を怪我すことなく、高貴なハーモニーが奏でられています。
この敷石は有名な『松琴亭』の藍色の市松格子柄の襖を予感させるために集めたとしか考えられない構成ですが、当時、石にブルーを持ってくることなど禁じ手であったでしょうが、そこは宮家ということもあり、誰も陰口を立てなくなって、造園感性が一気にアバンギャルドに向かうのです。
さて、比較的高貴でやんちゃな皆さんが好き勝手に発想したことが、後の感覚のスタンダードとなること多々あって、特にファッションに関係することでは何故か、メンズファッション界に逸話が残されています。イギリスのウインザー侯爵などは先ず筆頭でしょうし、織田信長の衣装などもバサラ感覚が飛び交うばかりのセンスで、山本寛斎も降参といった在り様です。
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