鈴木信太郎(1895から1989)が晩年に描いた伊豆の漁村風景です。今はずいぶん見られなくなった、なまこ壁がまだこの頃にはかなりあったようですね。
生涯、子供のように純粋に対象を捉え、楽しんで描いた鈴木信太郎の風景画には梅原龍三郎や安井曽太郎といった大御所の画趣とは違う、その人そのまんまがキャンバスに表れています。苦学した形跡もなく幼少時代に受けた身体的ハンディキャップもみごとに克服して、なお、このような誰もが「いい絵だなー!」と思う絵を描き続けた、鈴木信太郎こそが日本の洋画壇の頂点というべき人なのです・・・。
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