ヴラマンク 色三昧
1906年(明治39年)、モーリス・ド・ヴラマンクの描いた嬉しくなるような明るい春めいた画趣の一枚です。
しかし、保守派の絵画評論家から、「ただ色を重ねただけのナイーブないたずら描きに過ぎない」と酷評され、本人も落ち込むばかりで先の見えない不安ばかりが先行したようです。
それでも、純粋に美しい色の重なりは光の透過にも見立てることができますし、絵画とは本来、さほど哲学的・文化的なものでなく、『ただそこに美しい絵があるだけだ』・・・、なのでしょう。ヴラマンクには、この画趣とは対極の、暗い何かを暗示するかのような風景画もありますが、現在の時代の閉塞感もあるのでしょう、この絵の明るさは気持ちを和ませてくれます。
さて、昨今人気のエージング処理と呼ばれる素材加工や塗装・磨ぎだし技術は、所ジョージ命名するところの『PONKOCHICK』(ポンコチック・・・ポンコツのような)のテーストとして、『新技術を使い懐旧・経年感覚を遊ぶ』コンセプトとして、ファッションから店舗内装まで一大潮流となってます。彼の車に対するヴィンテージ感性はなかなかのものですが、最近はファッションから雑貨にまでPONKOCHIKKUの傾向がさらに幅を広げ、BSの番組http://www.bsfuji.tv/top/pub/setagaya.htmlでの解説も傑作であります。
丁度、ヴラマンクの色の重なりなどを応用すると、可愛いPONKOCHICKな木材や金属が誕生しそうにも思えます。
今日も話が飛び火してしまいました・・・。
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