マチスのカジュアル感覚
木版画のようなテクスチュアと見間違えてしまうそうなマチスの絵画ですが、画面全体における色彩配分が絶妙で、緑色の場所がちょっと移動してしまえば、ダサイの一言で一喝されそうなギリギリの構成です。小顔のモデルの納まりも、デフォルメセンスが真っ盛り!、顔と腕の太さとのバランスなども気にならないのは何処かに錯覚トリックでも使っているのでは・・・、中央の植物のボリュームサイズに答えがありそうですね。
この画面全体を覆う赤がさほど気にならないのも、壁、床の更紗模様にファジーな黒系の輪郭線が引き締めているからでしょう。
マチスの職人芸が散りばめられた、カジュアル感覚な作品です。日中、日陰になりがちな一角にこのような明るい一点を飾るだけで、空間がまったく違った空気感に包まれますから面白いものです。
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