« CHICなPONKOCHICK | トップページ | 1933・久我山 宮下橋 »

2010年2月 7日 (日)

染物の屋根表現。

Rimg12099 日本の意匠を語るとき、必ず対比的に論じられるのが装飾過剰な世界とシンプリシティな世界との関係ですが、最近はそんなことよりも『君は琳派派か、それとも民藝派か・・・。』などというもっと全体を巻き込んだ比較の話が潮流のようであります。

私は、テレビアンテナが屋根・物干し台の脇に林立する以前の、美しい屋根並みをうっすらと記憶しているのですが、夕日を浴びて、銀鼠色が赤みを帯びる一時の妖しい雰囲気に見入っていましたし、そのシャープながらも自然な姿に、眩しさと優しさを感じとることが出来たのです。今や、そんな一時を味わう必要もなく、映像に任せれば訳ありませんし、インターネット検索でも簡単に愉しむことが出来るようになってしまいましたが、時間の経過とともに微妙に変化していく光と色を、全身と五感をもって焼き付けることは出来ません。

昭和の記録写真や、宮本常一さんの遺された民俗史料としての記録写真にも、美しい日本瓦の光景が残っていますが、このプリントされたファブリックの方が、日本のコントラスト意匠を象徴しているように見えるのは皮肉なものです。人間の感覚と技術がある一定以上の表現を可能にすると、実物以上の存在感を際立ててくれます。この作家はおそらく生まれ故郷で、この屋根並みをじーっと見入っていた感がありますね・・・。

|

« CHICなPONKOCHICK | トップページ | 1933・久我山 宮下橋 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/29019/27800471

この記事へのトラックバック一覧です: 染物の屋根表現。:

« CHICなPONKOCHICK | トップページ | 1933・久我山 宮下橋 »