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2010年3月 1日 (月)

奥野信太郎著 『かじけ猫』 1957年

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Rimg26975 [古本屋の店頭で]

古本屋を歩いてみて、すぐ気が付くことであるが、本の数は割合に持っていながら、その本の一つ一つが、ほとんどろくなものでない本屋と、それ程数はもっていないが、その商品が一つ一つ粒えりのものである店と、この二通りあることである・・・。

『かじけ猫』という不思議なタイトルの古書を九品仏の古書店で手に触れ、奥野信太郎さん http://moondial.blog2.fc2.com/blog-entry-13.html の切れ味のよい文体に魅了されました。内容も徘徊から訪問記まで、銀座の夜から味噌汁の味まで・・・、明治33年、東京・麹町生まれの町っこキングここにありという、万象を切りまくるオンパレードは痛快であり、今の緩い社会風潮に浸かっている私にも鉄拳が下された思いでもあります。

「冬の日だまりに、身を縮ませて香箱をつくっている猫のすがたくらい不精なものはない。"かじけ猫"という題はそっくりそのまま著者自身のすがたでもある。・・・」と書かれたあとがき文の最後を読み、びっくり!!!。何と装幀は私の父でした。これはまったく知りませんでした。

「装幀は○○さんにお願いした。有島生馬先生、丸岡明君それにぼくを加えて四人で、東京の町を呑みあかして歩いた旧諠から、快く装幀をひきうけられた好意に対しては、まったくお礼の申しようもない。ふりしきる牡丹雪が、業平小紋の模様を綾なして、そこに猫一匹いない風景ながら"かじけ猫"のすがたはきわめて鮮やかである。」・・・と、寒さ嫌いのかじけ猫をインスパイアしてわざと雪を描いた装幀の父のセンスも天晴れながら、その絵柄を褒め称える奥野信太郎さんの文章の品格はさらに上等であります。

昭和32年(1957年)に章文社から出版されました。

季語 【かじけ猫】  冬
   ・暖かな所を探して丸くなっている、寒さ嫌いの猫の姿。

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