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2010年3月 8日 (月)

炎上する着物!

201_41 こんな絵模様には何か意味でもあるのでしょうが、それにしても、アバンギャルドな柄ではあります・・・。卍模様が発展して何やら雷の様相を呈している・・・などと思っていた矢先、これは着物の下に着る襦袢という衣装で歌舞伎十八番『鳴神」の上人が着用するものだということが分かりました。芝居のクライマックス、呪法が破れる瞬間にこの火炎模様が、ぶっかえり一瞬【いっしゅん】にして衣裳【いしょう】を替【か】える「引抜【ひきぬき】」の一種です。上半身の部分を仮に縫【ぬ】ってある糸を抜いて、ほどけた部分を腰【こし】から下に垂らして衣裳を替えます。「見顕し【みあらわし】」といって、隠【かく】していた本性を顕したときに使われる方法です。で現れるそうですから、迫力あったでしょうね。昔は照明器具など無かったでしょうから、蝋燭に頼った暗い歌舞伎小屋で最後にこんな鮮やかなエンターテイメントがあれば、ずいぶんと大向こうからもお声が掛かったに違いないでしょう・・・。

米兵が好んで着た横須賀独特の刺繍入りのスタジャンなどにも、この手に近い趣のものがあったように記憶していますが、グレード感は段違いですし、燃える炎は男好みのキャラクターとしても相当レベルの高い意匠ではあります。

鳴神  歌舞伎十八番の一つ。寛保2年(1742)、大坂・佐渡島長五郎座初演の「雷神不動北山桜(なるかみふどうきたやまざくら)」の一部が独立したもの。初演の"鳴神上人"は2世市川団十郎。筋書きは、朝廷に怨みを持つ"鳴神上人"がその法力で龍神を滝壷に封じ込め、天下は日照りとなって雨が降らない。朝廷の命を受けた"雲の絶間姫(くものたえまのひめ)"が色仕掛けで上人を破戒させ、滝壷の龍神を放つと雨が沛然(はいぜん)と降ってくる。騙されたと知った上人は怒りに燃え、豪快な立回りとなる。荒事芸の代表作品である。

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