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2010年3月15日 (月)

雲と雨をこのように・・・、黒織部沓茶碗

Rimg23836 戦国時代の茶碗には、多くの名品がありますが、現代のセンスから観ても、その抜群の感覚のものを一点選べ・・・、などといわれたら躊躇なくこれを選択します。

織部と呼ばれるものの、あの深緑色の釉薬などどこにもなく、漆黒と白のコントラストのみで勝負し、白の部分にはこれまた洒脱な雲と雨が、まるでいたずら書きのような軽ろみと省略をもって描かれています。この余白の中の絶対バランスに配置された雲と雨は木立のようにも見立てることができ、観察する人夫々の解釈の自由度を許容しているかのようであり、自由奔放ながら人間の持つ創造力と技術が合致した奇跡の逸品であります。

今では、この写しも多く出回っていて、そんな贋作の器であっても、抹茶の新緑色が加われば一気に、鮮やかな宇宙が手の中で展開するわけですから、この作り手が緑色で加飾しなかったのは、かなりのアバンギャルドな挑戦であったに相違ありませんね・・・。

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