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2010年4月16日 (金)

逞しく穏やかな岡本文弥さん。

Rimg27992 松浦弥太郎さんと、ひょんなことからお会いして以来、経営されているCOW BOOKS http://www.cowbooks.jp/newtop.html に頻繁とお邪魔することになり、そこで手に取った三月書房の本にのめりこみ、気付くと、数冊が書棚に小気味良く収まっていました。

池田弥三郎・奥野信太郎を数冊買って以来ご両人の文体の品格に改めて惹かれ、PCで慣れきった自分の文章構成を恥ずかしく反省していますし、文庫本寸法ながら装幀の確かさも魅力で、最近のデスクトップで生まれるデータ処理指向の出版物からは味わえない薫りを愉しんでいます。

岡本文弥さん http://www.taitocity.net/culture/bunkazai/sinnai.htm の随筆もそのひとつです。ずいぶん昔になりますが、永六輔さんが岡本文弥さんのことを「権力に抵抗する剛毅なようすなどいっさい見せず、しゃらりと生活するその様は正に、江戸の町人のそれである・・・、」などとラジオで喋っていたことを妙に、頭の隅っこに覚えていて、偶然、三月書房からその姿の良い造本と装幀を見つけてしまいました。

『芸渡世』『ひそひそばなし』、二冊とも、岡本さんの日常周辺に起こるできごとや、芸能、ちょっと昔の町に関わる四方山話などなどが盛り込まれ、その流れるような文体を通し、粋で控えめなのに切れ味の鋭い、随筆の鏡のような珠玉の宝庫です。

どの内容もひょうひょうとしてますから、読むごとにふぉんわかとして、やわらかく成りだしたこの時季だからこそぴったり合うような気がいたします。

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