実際は、岩肌の荒々しさが荒涼としたパノラマなのですが、安野光雅さんは、日本的な霞がかった、柔らかい表現を以って、この絶景を捉えています。
安野さんは、萩生まれのせいか、その穏やかな環境で育った感性を世界の何処に出かけても、貫いていて、得意の水彩に、その真骨頂がたっぷりと、注がれています。
日本の生活環境で、この絵を飾ろうとすれば、確かに、実際よりも柔らかい感性と技術で完成された、この画趣の方が、間違いなく、周囲に溶け込みますから、安野さんはそのあたりのことも認識した上で表現したとすると、単なる画家ではなさそうですね・・・。
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