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2010年5月22日 (土)

輝く棚田。

04写真:今森光彦

一面に光を浴びて新緑色に輝く初夏の棚田の光景も、今ではこのようなパノラマ展開で見かけることも少なくなりました。

1960年代の中頃迄は、自宅のあった久我山からちょっと自転車で遠出し、調布方面から多摩川を越え、読売カントリークラブの上り坂を越えるとそこらじゅうがこのような光景に満ちていました。残念なことに、当時の記録として写真を残しておけばよかったと、今になって思うばかりであります。東叡社のブルーバードというキャンピング仕様の自転車に乗っていた私は、ロードレーサーにさほど興味がなく、スピードよりのんびりと景色を観ながら、大好きなカントリーミュージックをフロントバッグに忍ばせたトランジスターラジオを通して聴くのが趣味という、10代にして既に、渋好みであったのです。この頃はジム・リーブスという美声の持主の人気絶頂期で、FENからはしょっちゅう、この曲が流れていました。http://www.youtube.com/watch?v=nECoA-uVGfw

多摩丘陵界隈の棚田はこれほど段差のある立派なものではありませんでしたが、柿生界隈には、田圃の脇に立派な茅葺屋根の農家が点在していて、春の麗らかな日など、カントリーミュージックより聴く機会の少ない軽快なブルーグラスミュージックhttp://www.youtube.com/watch?v=Yiqpk4aX828が聴こえると、そちらに気がいってしまい、うっかり迷い込んでしまった一軒の農家では逆に珍しい自転車姿の故か、歓迎していただき、お茶とお菓子の一服をさせていただくなど、大らかな皆さんに巡り合う機会も多く、この時代は、まだまだ長閑で優しい空気に社会全体が満ちていました。

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