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2010年6月28日 (月)

一瞬を捉える、濱田庄司

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新宿で働いていた頃、歌舞伎町の入口に、『すずや』という美味しいとんかつが名物の店があって、よく昼食に行ってました。階段を上ると松本民芸家具のトラディショナルなイギリス風の家具調度でまとまめられた空間は、新宿では他所に見られない剛毅な雰囲気にさせてくれるのでした。そこには大きな壺や皿、花瓶などが無造作な中にもベストポジションに納まっていて、これらを鑑賞するのも愉しみでありました。特に陶磁器の類は、両親が好きで、子供の頃から産地や作家を教わっていたこともあり、濱田庄司・島岡達三・富本健吉などの本物を目の前にできる贅沢気分は、他所で味わえないものでした。

その中でも素朴で野趣に富んだ濱田庄司の作品は、大原美術館をはじめ国内に多く点在していて、この画像の作品などは、何万枚作ったとしてもこれ以上の空間に於ける白釉薬と黒釉薬とのコントラストなど生まれようのない、神業の成す奇跡です。釉薬を柄杓に救い、頭の横ほどの高さから、まるで釉薬が操られているように大皿を揺すりながら文様を描いていく様は、NHKアーカイブで見て、仰天したものです。彼は、こてこての日本原人のような風貌でありながら、ワールドワイド・コミュニケーターとしても、こだわりのない性格からか、多くの著名な建築家・デザイナーとの交流も小まめにこなし、彼との交流を通し、皆々、濱田庄司の人間力に惚れ込んでしまうのです。敵対する人などお構いなしで、その作品の力と器量の大きさは、亡くなるまで進化し続けました。

小手先で化粧したような料理など、このエネルギッシュな器に似合うわけなどなく、素材そのままをダイナミックに切り刻んだ投げ入れのような盛付こそ、料理と器の響き合いが最高潮になります。残念ながら、合羽橋の問屋街を徘徊していると、濱田庄司もどきは数多くあるものの、品格と野趣に欠け、問屋の言いなりで作られた民芸もどきも、そろそろ、一掃される時代になっても然るべきと思うのでありますが・・・。

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