1904 気球からの眺望 新橋から虎ノ門・霞ヶ関
1904年(明治37年)、築地の海軍大学校から飛ばした気球で撮影した日本初の航空写真です。四枚の写真の中、新橋ステーションから左奥の愛宕山がみごとな展望です。海を航行する船が位置の目安とした化銀杏(ばけいちょう)が愛宕山の手前に天に向っています。右の外堀の先、黒く囲まれた地域は、有栖川宮邸・九鬼隆一郎男爵邸・帝室林野管理局・東京女学館・露国公使館・伊国公使館で、現在の文部科学省・財務省・霞ヶ関ビルのある場所です。
ただひたすら観るだけでも、明治時代の東京の美しさが分かります。
明治37年6月には帝国陸軍が日露戦争で旅順偵察に気球を使ったことを知り、ライバル意識むき出しで遅れてはなるまいとばかり、海軍も気球偵察の訓練として、東京都心を撮影したのかもしれません。軍事目的の手段として気球が活躍したとはいえ、遺された資料として、面白い読み方も出来る訳で、今となってはありがたい話です。
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