COW BOOKS 目黒川沿い。
本の店が衰退していることは紛れもない事実で、商店街の細々とした書店はその利幅の少なさと相まって、閉店の加速を止めることができないようです。和洋・古今を問わず、良本、美本、稀本、珍本、の多くはそれに見合った環境下に置かれることなく、本マニアに任せるかの如く、普通の人にはマニアックな魔界にでもいるような趣きの古書店に納まっています。
その点、COW BOOKS http://www.cowbooks.jp/newtop.html は稀代の目利きである松浦弥太郎さんが経営する本屋さんですが、いつ出かけても感心するのは、売れる・売れない・新しい・古いなどに惑わされない、真っ直ぐな本への愛情、そして、ジャンルを問わず、ある時代の証がきちんと載っている本の多いことです。とくに人々が自分の分を弁えていた昭和の中頃までの本の多いことが嬉しいのです。もちろん、みごとなまでの棚入れのプロポーション、書店としてほぼ理想に近い採光、美味しい珈琲・・・、などなど、目黒川沿いを散策する大人に相応しい、穏やかな書店です。
私は自転車の帰りに寄ることもあって、南青山のお洒落な一角のお店には入りづらく、専ら、目黒川沿いのお店に入ります。最初、自転車の格好で入るとお店を取り仕切る女性はけげんそうでしたが、秋ともなれば、多少、街着に近くなるので、ビックリ顔を見なくても済みそうであります。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント