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2010年10月 4日 (月)

池田弥三郎 『食前 食後』

Rimg27987 今年に入り、池田弥三郎さんの著作を見直してしまったのは、それが東京のある時代の教育・文化人としてのリベラルな視点ながら古典・伝統をも許容できる、大人の悠々とした文体と、俯瞰しつつも暮しの細部まで見据えた筆力によるものです。

多くの作家が食べものの「うまい」「まずい」を論じる中、池田さんのスタンスは食卓のマナー・しつけの場としての食事などなど、ご自身の食履歴を軸として語ってくれます。

1973年(昭和48年)日本経済新聞社から刊行されましたから、この本に登場するお店の中には、既に、商いを閉じたところもあるものの、当時まだまだ多く残されていた江戸・明治の店構えと江戸っ子気質の商いの作法の薫りが織り込まれ、読めば読むほど、過ぎ去った美しいニッポンの風俗が蘇ります。

装丁は原 弘さん。モダンながら、間を弁えた姿は、本棚の中でひときわ冴えています。

味覚の秋より・・・。戦後すでに25年。ものの味で、戦前を知らなかった調理人・板前・コックが、もう三十代である。戦後の味で育った者が今日の味を管理しているのである。そのうえ、客への、おびただしい数の参加は、戦後の味しか知らない者が、それ以外を知らないままに、それに馴れてしまって、その数が味に働きかけている。多かろう、悪かろうとしか言いようがない。

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