辻まことのデザインによる、石の湯リフトのスタッフ用ワッペン
1960年代から1980年代まで、スキーのいろはから洒落た自由時間の過ごし方までを教わった志賀高原・石の湯スキー場は、奥まった処にあったのが幸いして、うるさい音楽も流れず、不味いのに値段だけはホテル並みといった他所のゲレンデのような食事もなく、石の湯ロッジという小さいながら、洒落っ気と料理だけは飛びっきりという山荘があったからこそ、優雅なひと時を過ごせたのかも知れません。
現在、スキー場はありませんが散策には最高の場所であることには変わりませんし、特に春と秋のシーズンは素晴らしい景観の中に浸り、しばし、俗界の戯言とは無縁の境地になれます。
さて、1960年代後半にようやく石の湯スキー場にリフトが出来、これでボーゲンでの登りの繰り返しでへこたれていた軟弱な都会の若者も、ほっと胸をなでおろしたのであります。そのリフトを管理・運営するリフト会社のスタッフが身につけていたジャンパーに付けられたのが、辻まことさんデザインのワッペンです。グレーのメルトン生地に刺繍されたロゴは辻さん好みのもので、当時、私も何とかして手に入れたかったものでしたが叶うことはできませんでした。ロゴの配色はこのパターン以外もあり、その自由な感覚は正に、辻さんの真骨頂でもありましたし、御茶ノ水・秀山荘のスポンサー名が入ってますから、このワッペンに掛かる経費は無論のこと、リフト会社への出資も、辻さんから秀山荘の社長に直談判したかも知れません。
このワッペンの実物は石の湯ホテル http://www.shigakogen.jp/ishi-h/ に飾ってあります。
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