« 和紙に黒インクで挑戦・・・。1958年頃 | トップページ | 広重・雪景 トリッキー »

2011年1月29日 (土)

『吹雪』 鼠志野 加藤唐九郎作

48 湯呑茶碗は日々の暮しで四六時中、よく使われる器ですからさほど高価なものは必要とされないのですが、これが、お茶の世界にシフトすると俗界の基準など関係なく、ひとりの人間と炎との奇跡による創作物と成り代わり、生活実感からの価格帯など考えては失礼千万なのであります。

50年以上の昔ですが、親戚の家に父に連れられて行くと、私が煎餅好きということを知っていて、醤油のシンプルなものや、砂糖をまぶしたものや、抹茶を振りかけたものなど、きれいな竹編の皿に盛られてでてきました。その中の白い砂糖に覆われたお煎餅のきれいなイメージが記憶にあって、この茶碗『吹雪』そっくりなのであります。

この茶碗、加藤唐九郎が生涯追及して止まなかった『志野』の中では、優しい穏やかな傑作ですが、桃山時代の志野を摸作しているうちに、独自の境地に達し、ダイナミックな造形をものにしました。高台をふくめた全体の姿・長石釉薬の溶け具合・鉄釉薬の絵付・緋色の全体に占める出方・・・、いかに陶芸が炎任せということがあるにせよ、唐九郎は炎の力・動きさえ事前に察知したかのような出来っぷりを生み出しました。(参考 太陽:加藤唐九郎)

|

« 和紙に黒インクで挑戦・・・。1958年頃 | トップページ | 広重・雪景 トリッキー »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/29019/38458820

この記事へのトラックバック一覧です: 『吹雪』 鼠志野 加藤唐九郎作:

« 和紙に黒インクで挑戦・・・。1958年頃 | トップページ | 広重・雪景 トリッキー »