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2011年2月 6日 (日)

『槍梅』 乾山作

Photo 「舌先三寸」という意味は(口先だけの巧みな弁舌)と、良い意味では使われませんが、それでは、このあざやかな筆さばきなどは、さしずめ「筆先天空」とでも言いましょうか・・・、筆使い次第でかくもスケールの大きな世界を表すことが出来るのですから。

尾形乾山の作陶は、絵付けにその妙ありと言われますが、この『槍梅』はその中の最高峰といわれ続ける名品中の名品です。手の中に納まるほどの寸法の中で、スケールの大きな宇宙が展開されるとは、恐れ入りました・・・という以外の何ものでもありませんね。

槍梅とは琳派の創りあげた呼び方で「真っ直ぐ伸びた枝に咲き誇る豊かな梅の香しさは、吉祥の様子である」というおめでたい意味があるようです。墨痕の幽玄さは「色が無くとも色がある」と伝えられ、多くの数寄者等を狂喜させた逸話もあるほどです。幹・枝部分が鉄釉、蕾は呉須と分からないほどに使い分け、その微妙な差が遠近感をいっそう深みのあるものにしています。

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