そよぐ風に気持ちよさそうな家。
Edward Hopperさんにしては輪郭線が太い作品ですが、海岸線に近い建物を、「極めて風雨に強い物件であります・・・」と、言わんばかりに描かれています。とは言うものの、左奥には、家らしきものが傾いてますから、やはりこの場所は、厳しい風雨に晒されているようです。
全体に肌のきめが細かいような趣きですが、これはあくまでも、吸い込みの少ないカートリッジペーパーのような紙をつかったからで、この紙のタイプは色の発色が秀逸で、滲みはほとんどないものの、シャープな画趣の好きな日曜画家に長い間人気があります。
白い余白を最初に意識して描かれた青空が爽やかで、春を待ちこがれているバルコニー越しの家の主が、今にもこちらに向かって出てきそうです。
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