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2011年3月27日 (日)

広重・煙たなびく軽井沢

Photo 『見えるものを描きながら、見えないものを感じさせる』・・・、赤瀬川原平さんが、広重を評して、ひとことで言い切っています。

赤瀬川さんは広重の遺した版画を面白い区分けにしていて、「絶景」・「夜景」・「斜景」・「水景」・「雨景」・艶景」・「吹景」・「雪景」・「活景」・富士見・花見」と分類しています。夫々、赤瀬川さん独断の鋭さとゆるさの両極を按配しながら分けられ、その一枚一枚に対する解説は、茶道から街のカケラまでを守備範囲としているならではの奥深さと笑いを伴って、硬直した頭をほぐすには最適な特効薬であります。

さて、この一枚、夕暮れの一服といったところでしょうか。ひんやりとしたやや湿った空気感を、白抜きの焚き火の煙と炎が温めてくれます。煙の方向はほぼ真っ直ぐ上に上り、無風を暗示し、寒さはさほどではないことを視覚的に教えてくれます。さらに、木立は白抜きの部分を明るくするなど繊細さもサービスしていて、この構図ではあえて全部は要らない・・・、と思ったのでしょうか、遠くの浅間山の頂を見せず、全体を断片的にチラリとさせるだけにしています。

広重さん・・・、モダンなのであります。

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